生産性を2倍にする独自の「攻めの人事」の方策

人事部というと、昇給や昇格、異動など「社内の機密」を握る部署であり、社員を管理する「守り」の部門だと考えられがちです。しかし、人財を最大限に活用する「攻めの人事」こそが、社員や経営者、そして混迷する経済社会の希望を担っているのです。


なぜ日産自動車でSWPが発達したのか

日産自動車でSWPが発達した理由として、経営の危機から生き残ったこと、そして人財活用に優れた他社から学んだことの2つが挙げられます。
しかし私は、もう1つ大事な要素があると思っています。
それは、経営者の人事部に対する期待値の大きさです。

人事部員の悩みは「トップの理解が得られない」

独立して人事コンサルタントを始めてみてわかったことは、戦略人事で組織の生産性を向上しようと奔走している人事部員が、たくさんおられることです。
彼らの悩みの大多数を占めるのは、「トップの理解が得られない」ことです。

結果を早く求める経営陣

戦略人事の必要性を人事部が主張しても、それが効果をもたらすまでには中長期的な時間軸が必要です。
しかし経営陣は、投資案件やM&A案件と同じ判断基準で、比較的、短期の投資採算性を要求してくる会社が多いのでしょう。

細切れの人事サービスで改革不全に

こうした背景から、限定的な効果しか望めないが、比較的安価な予算で対応できる人事サービスを細切れに導入することになり、個別要素戦略が断片化されて改革の効果が十分発揮できていないのが、現在の人事の実情ではないでしょうか。

深刻な人財不足と生産性下落は目前に迫っている

日本は今後、1年間に毎年1%弱のペースで15〜64歳の生産年齢人口が減少していきます。
多くの日本人が今のままの働き方を続けていくと、近い将来、深刻な人財不足と、生産性のさらなる低下が避けられなくなります。

経営に使える人事データを武器に改革を

日産自動車では、「そこまで人事に仕事を振るのか?」というチャレンジングなタスクがたくさんありました。しかし、それがあったからこそ、多くの人事戦略が多方面から注目を集める成果を残したのではないかと思います。
「経営に使える人事データを今すぐ見せろ!」と言い続けていただくことで、ビジネスパートナーとしての人事の力はどんどん向上するはずです。

【まとめ】

・日産自動車でSWPが発達した理由には、経営者の人事部に対する期待値の大きさもあった。
・しかし、戦略人事で生産性向上に奔走している人事部員は、トップの理解が得られず悩んでいる。
・日本は今のままでは、近い将来、深刻な人財不足と、生産性のさらなる低下が避けられなくなる。
・人財データの威力を駆使して、ビジネスパートナーとしての力を向上させる「攻め」の人事が、社会に求められているのです。

★ 参考図書『稼ぐ人財のつくり方 生産性を2倍にする「攻めの人事」』山極 毅 著
日本経済新聞出版社

    
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