ドラえもん時代を先取り

藤子・F・不二雄さん原作の「ドラえもん」が誕生したのは、大阪で万博が開かれた1970年のこと。それから50年後の今、「あんなこといいな、できたらいいな」な夢を叶えてくれるドラえもんのひみつ道具の中には、既に現実化しているものが結構あることをご存知でしょうか。ドラえもんがやってきた22世紀の技術を100年も先取りするほどに、テクノロジーが凄まじい速さで進化を続けている中、私たちは次々と現実化するひみつ道具をどううまく活用できるかが、新たな価値観を生み出すカギとなるはずです。

過去のデータに頼らない

Appleの創業者、スティーブ・ジョブズは、21世紀初頭にひみつ道具を具現化させた一人です。彼は「どんなマーケティングでも、駄作をヒットさせることはできない」との言葉を残しています。すでに普及している商品にちょっと差別化を図ったものを発売したところで、成果はたかが知れているということです。他社が真似できない、突出した付加価値のある商品を世に送り出すことを、ジョブズは常に心がけていました。そのためには過去のデータからの分析に頼っていても意味がないと、彼は考えたのでしょう。

最高の価値を追求する

ジョブズは「経営をうまくやるために仕事をしているわけではない」とも言っています。お金を稼ぐのが目的ではなく、最高の価値(商品)を作ることこそが仕事だという強い信念が感じられる言葉です。常に革命的な商品を生み出すことを追求し続けたジョブスですが、過去には多くの失敗も経験しているのはご存知のとおりです。変人呼ばわりされることもしばしばでした。しかしジョブズは「とにかくつくってみんなに見せ、どう思う?と聞くしか」ないと、自らの意思を貫き通しました。その結果、ジョブズはiMacやiPod、iPhoneといった誰も思いつかなかったプロダクトをいくつも送り出し、私たちに未来をもたらしたのです。

大事なのは想像し続ける力

マーケティングありきで物事が進む今の世の中にあって、斬新な商品やサービスを創出しようにも「売れない、失敗する」など否定的な声ばかりが返ってくるのが関の山かもしれません。しかし、もしジョブズがそういう声に耳を貸してしまい、歩みを止めてしまっていたら、今あなたの手元にスマートフォンが存在することさえあり得なかったかもしれません。時にマーケティングが必要なケースがあるにしても、未来をもたらすモノを生み出す決定的なカギは、「あんなこといいな、できたらいいな」と想像し続ける力にこそあるはずです。

参考書籍:吉角裕一朗著「『まだない仕事』で稼ぐ方法」 (ワニ・プラス刊)

足立謙二 ライター。時事通信社記者を経てフリー。WEBニュース、雑誌などに執筆。得意ジャンルは昭和カルチャーから特撮、最新アニメまで幅広く偏り気味に。

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