新たな価値を生み出す人とは

テクノロジーの急速な進化に伴って、これまでの価値観が次々と書き換えられつつあります。それは21世紀の今に限らず、古くから絶えず繰り返されてきたことです。最初は斬新と思われていた画期的な発明品も、誰もがその便利さを知り、広く使われるようになってしまえば、自ずと価値観は変わっていきます。そんな価値観の変化を知り、柔軟な発想ができる人こそが、誰も知らない新たな価値を生み出すのです。

カメラに見る変化の凄まじさ

「写ルンです」などレンズ付きフィルムカメラが登場したのは1980年代半ば。高級カメラにない手軽さが受け爆発的なヒットとなりました。しかし、それから20年後、デジタルカメラが普及し、携帯電話に組み込まれたことで、1日何十枚も写真を撮り、ショップに現像に出すこともなくその場で手軽に鑑賞できるのが当たり前の世の中になってしまいました。40代以上の方なら、その変化を肌で体験しているはずです。写真に限らず、こうした価値観の変化は数十年の間に様々な場面で起きています。

価値が高いのは上手さより表現方法

このような価値観の変化をもたらす力は、絶えず続くテクノロジーの進化と、それを活用して“発想できる人”の存在です。例えば、葛飾北斎が稀代の浮世絵師として西洋の画家たちにまで影響を与えた最大の要因は、それまで誰も考えつかなかった遠近法や、西洋由来の人工顔料プルシアンブルー(ベロ藍)を用いた表現方法にありました。北斎が描いた画への評価よりも、北斎が発想した技法が高く評価されたのです。今の時代、情景を上手に再現するだけなら、絵を描くよりもカメラで瞬時に切り取ってしまえばすむことです。もし、画家として北斎を超えたいというのなら、絵の上手さではなく、北斎にはない斬新な表現技術を発想できる人でなければ、成功は難しいでしょう。

大人の価値観は30年前の常識

画家と同様に、テクノロジーの進化によって仕事の価値観が大きく変わるケースはあらゆる場所で起こるでしょう。そんな時代の変化に見合った夢を描けるかが大事です。日本では、大人が子供に「こうするべきだ」と価値観を押し付ける傾向が強いように見えます。しかし、大人のもってる価値観は、子供にとっては30年前の価値観であることに気付くべきです。時代が変わり、テクノロジーが進化すれば夢の形も当然変化することを、忘れてはなりません。

参考書籍:吉角裕一朗著「『まだない仕事』で稼ぐ方法」 (ワニ・プラス刊)

足立謙二 ライター。時事通信社記者を経てフリー。WEBニュース、雑誌などに執筆。得意ジャンルは昭和カルチャーから特撮、最新アニメまで幅広く偏り気味に。

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