ゆとり・さとり世代に学ぶ

つめこみ・スパルタ教育が染み付いている昭和世代のおじさんからすると、ゆとり世代やさとり世代の言動に違和感を持つことも少なくないかもしれません。しかし、平成生まれの彼らの身の回りには、物心をついた頃からインターネットや携帯電話など昭和にはなかったテクノロジーに囲まれ、当たり前のように使いこなしています。いわばひみつ道具使いのプロ。旧世代のおじさんは彼らから学ぶべきことが多いはずです。

彼らの主張に悪意はない

最近の若手社員は飲みに誘っても興味を示さず、また業務のためと携帯電話の番号を教えるよういうと「個人情報なので」などと拒否したりと、上司を侮っているのかなどと嘆く40歳以上の社員や管理職の人の声をよく聞きます。しかし、若手の彼らからすれば、仕事とプライベートを切り分けようと考えることに悪意はありません。これを「若者の主張が間違ってる」と言い切ってしまうのは、自分たちの価値観を押し付けていることに気づくべきでしょう。

ゆとり・さとり世代の強み

子供の頃からネット社会の中を生きてきたゆとり・さとり世代は、個人情報の漏えいなど情報管理の大切さについて身を持って知っています。また、過度に仕事をしなくてもお金と自由な時間を手にできることに、とっくに気づいてしまっているのもこの世代の常識と言えます。そんな中で、スマホに代表される最新のテクノロジーを紙の取扱説明書なども読まずに感覚的に使いこなせてしまう、その強みを旧世代の大人たちは知っておくべきなのです。

クレバーな欲望の持ち主

また、ゆとり・さとり世代は「欲」が少なく「淡白」な人が多いとも言われがちです。物欲が強いと言われるバブル世代が若かった頃に比べて所得が増えづらい背景があるのは確かですが、それでも、今の若い世代は決して「欲」がないわけではありません。不況が長く続いた中で、情報があふれる時代に育った彼らは、無駄な出費を明確に嫌う、“超コスパ重視”で“非常にクレバーな欲望の持ち主”です。

高級ステーキより吉野家を選ぶ理由

彼らは、過度な高級品には興味を示さない一方で、少額の投資でも高い価値観を得られるものには躊躇なく手を伸ばす傾向が強いのです。上司に「ステーキ食べに連れてってあげるよ」と誘われようとも、吉野家で買った牛丼を自室で食べながらNetflixが配信する好きな動画を楽しむことの方を重視する。それを「欲がない世代」と決めつけるのではなく、新しいことを柔軟に受け入れて自分生活を充実させることに貪欲な人たちだと理解する必要があります。これからの時代、日本の中核を支えるのはそんな価値観を持った彼らなのです。

参考書籍:吉角裕一朗著「『まだない仕事』で稼ぐ方法」 (ワニ・プラス刊)

足立謙二 ライター。時事通信社記者を経てフリー。WEBニュース、雑誌などに執筆。得意ジャンルは昭和カルチャーから特撮、最新アニメまで幅広く偏り気味に。

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