作家も漫画家もAIで変わる

AIを始めテクノロジーの進化により、これまで当たり前だった仕事の多くが今後数十年の間に消えていくだろうという予測がさかんに言われています。既に、昭和にはどこでも見かけた切符を切る駅員の姿は、タッチ&ゴーで通過する自動改札に取って代わりました。このような単純作業の分野は次々と機械化が進んでいますが、その波は人間でないと不可能と思われてたクリエイティブな分野にも及ぼうとしています。

解説も審判もAIが担当

例えばスポーツの実況中継の横で解説する評論家たち。過去の経験則に照らし合わせて話すだけなら、膨大なデータをもとに予測を提示するAIでも十分担えるはずです。審判にしても、ボールにセンサーを埋め込んだり、スタジアム中にカメラを配置したり、小型ドローンなども活用すれば、ボールや選手の動きを細部まで把握し、際どいプレーにも正確なジャッジが下せるシステムが、いずれ実現してもおかしくありません。

クリエイティブにもAIが

文学や芸術の世界でも、過去の優れた作家の作品をAIに学習させ、人の手を介さずにベストセラー小説やヒットソングを生み出そうというプロジェクトが、国内外でいくつも進行中だと言われています。最初は中学生レベルの文章の羅列に過ぎなかったとしても、繰り返し学習していくうちに、本当にベストセラーを生み出してしまう可能性は決して否定できないのではないでしょうか。

カギ握るのは速読術?

実際、速読術を身につけると、その本の主軸となる要点だけを抽出する能力が会得できます。1冊の本の要点というものはたいがい、2〜3点に集約されるもので、残りはそれらの要点を言葉を変えて繰り返しているだけということが多いです。こうしたパターンをAIが学習してしまえば、本のジャンルによってはAIが著者の書籍が出現するのは時間の問題かもしれません。

変わる漫画製作

漫画家の仕事も、キャラクターを発想するのは作家の頭が必要としても、それさえ決まれば表情の変化やポージングなど、指定したとおりに機械が画を描くようにすることで作業工程は大きく変わるはずです。実際、コマ割りのテンプレートを使いまわして作業のシステム化を実現している漫画家は既に存在しています。

AI化のその先は…

あまりに機械化、AI化が進んでしまうと、人間の仕事がなくなってしまうと心配する気持ちはわかります。しかし、昭和30年代に冷蔵庫や電気洗濯機が登場した時、家事の手間が省けるようになった女性は一気に社会進出を果たしていきました。そんな歴史と同じように、任せられることはAIに任せて、人間にしかできない、自由になった時間を充実させる方法を考えれば、新たな仕事も必然的に生まれるでしょう。漫画家も、よりユニークな作品や斬新なキャラクターを生み出す時間が持てると考えればいいのではないでしょうか。 参考書籍:吉角裕一朗著「『まだない仕事』で稼ぐ方法」 (ワニ・プラス刊) 足立謙二 ライター。時事通信社記者を経てフリー。WEBニュース、雑誌などに執筆。得意ジャンルは昭和カルチャーから特撮、最新アニメまで幅広く偏り気味に。