できる人はなぜ、本屋で待ち合わせをするのか?

取引先や恋人との待ち合わせ、どんな場所でしていますか? 「駅で待ち合わせ」はもう古いことを知っていますか? 昔は携帯が無く、待ち合わせは駅の掲示板前でしたが、スマホが登場してからもそのままの習慣で「駅で待ち合わせ」をする人が多いのではないでしょうか?

もちろん、どこで待ち合わせをするかは自由ですが、正解は「本屋さん」です。理由はたくさんあります。


  • 相手が遅れても、本を読んでいればいいので、待つのが苦にならない
  • 自分が遅れてしまう場合も、相手に退屈な思いをさせないですむ
  • 屋根も空調もあるので、快適に待てる
  • 待っている間に、いろんな本を読みながら、情報収集ができる
  • 本をきっかけに、相手との会話もスムーズに始められる

こんな風に考えているのは、 偶然訪れた本屋で35億円の大ヒットのヒントを手に入れた臼井由妃さん。もう20年以上「待ち合わせは本屋さんにする」という工夫を自分のルールのひとつにしているそうです。できる人はなぜ、本屋で待ち合わせをするのでしょうか? その理由を臼井さんにお聞きしました。

偶然訪れた本屋で、35億円のヒットの種

「ちょっと涼んでいきませんか?」

ポスターに書かれたこんなキャッチコピーが目に留まったのは、20年ほど前のある日のこと。社運をかけた新商品のネーミングに行き詰まり、ちょっと気分転換しよう、と行く先を決めずに外に出かけた時でした。

ポスターは、いつも素通りしていた近所の本屋さんのもの。8月の昼下がり、外気は30度を越えていますから「ちょっと涼んでいきませんか?」に、心をつかまれました。店内に足を進め、何気なく書棚に目を向けると「へえ~そうだったのか」と納得したり、「ぜんぜん知らなかった」と驚いたり。

本の表紙やタイトル、店員さんが描いたポップを眺めているだけでワクワクしました。思いがけず魅力的な人に出会ったり、一流の人と親しくなるような高揚感。想定外な情報との接触もありました。心踊らせながら5分、10分と経つうちに、

「見つけた! これだ!」

あれほど悩んでいた商品名のヒントが、突然、舞い降りました。まさに運命の出会いです。臼井さんはちょっとだけ「工夫」をして商品名に決め、販売することにしました。これが「面白い」「覚えやすい」と通販市場で評判になり後に、数十億の利益を生み出すヒット商品になったのです。

当時の臼井さんは、フリーターから経営者になったばかりでほぼ経験ゼロの状態。プレッシャーのかかる新商品のネーミングも、あの時に気分転換のために外出せず、本屋さんからヒントを得ていなかったら、いい加減なものになっていたはずです。

大ヒットどころか、100%失敗していたでしょう。もしかしたら、会社自体がなくなっていたかもしれません。

街の本屋さんはあなたのシンクタンク

本屋さんがもたらしたひらめきは、当初、偶然だと思っていました。それでも、本屋に行けばいいことがあるのではないかと気を良くし、ふだんの行動範囲だけでなく、取引先からの帰り道や出張の折、少し離れたところにある本屋にも、足を延ばすことを習慣にしました。

するとそれまで避けていた「話し方の本」や特に興味がなかった「哲学書」、苦手意識があった「労務の本」を買ってしまったり。自分も気づいていなかった「自分が読みたいと思っているもの」からも、仕事のヒントを授かるようになりました。

行き詰まっていた営業戦略が明確になる。手を焼いていたお客さまとの会話がスムーズになる。抱え込みがちだった仕事を任せるコツが見えてくる。社員とのコミュニケーションが円滑になる。抱えていた問題が次々に解決していきました。

それは決して偶然の産物ではなく、本屋が持つ「知的エネルギー」と本という「刺激物」とひんぱんに接するうちに、ひと工夫することが習慣になったからです。私たちが抱えている課題や問題のほとんどは、手に負えないような難問ではありません。

似たような問題に直面して、解決を見つけた人や事例があるはずです。実社会では、指導を受けることが難しい一流の先生やプロでも、本の著者としてならば、自分と気が合う人を選び放題です。いつでも彼らの考え方やノウハウ、仕事のコツを学ぶことができます。

街の「本屋」はシンクタンクであり、各界のプロが集う社交場なのです。臼井さんは、本屋に通い彼らのエッセンスを習得して、自分の知識や知恵とマッチングしながら、ひと工夫する術を身につけていきました。

「本屋に行くしくみを作る」というひと工夫

でも、アポイントが続き、本屋に出かける時間が作れないという現実もありました。そんな折、待ち合わせの駅に5分早く到着した際に、改札の前にあった本屋に飛び込みました。5分しかありませんから「新刊のビジネス書」の棚と、レジ周辺のおすすめ本をざっとチェックすることしかできません。

でも、たった5分でも、本屋に行くと、やる気が高まりました。また、これからお会いする取引先との商談に役立つ情報も見つかり、自信をもって打ち合わせに臨むことができました。

「十分な時間がなくても、待ち合わせ場所を「本屋」にしたらいいんじゃないか?」

仮に相手が10分遅れるとしたら、改札口でイライラしながら待つことになります。外で携帯をいじって時間つぶしをしてもいいのですが、本屋なら、その10分からも相当な刺激を得られます。

何となくぶらつくだけでも、ふと興味をひかれた本のタイトルが目に飛び込んできます。また、その周囲には関連する本がずらっとそろっています。気になる本を手に取ると「こんなことがあるんだ」と驚き、偶然の出会いで自分の世界が広がります。

退屈するどころか、本屋での5分、10分から得られるものは計り知れません。もちろん、自分が遅れる場合も、相手のイライラを抑えることができます。

「これをやらない理由はない!」

そう考え、本屋での待ち合わせを、自分のルールにしたのです。

仕事ができる人とできない人の差は、能力や資質ではなく、どれだけ「ひと工夫」しているかどうか? ここから生まれます。本屋で待ち合わせをすることもそんな「ひと工夫」の一つです。

臼井由妃さんの著書「できる人はなぜ、本屋で待ち合わせをするのか?」では、「本屋さん」で待ち合わせをする以外にも、成功を導く小さな「ひと工夫」が紹介されています。本屋さんを待ち合わせ場所にした際に、手にとって読んでみてはいかがでしょうか?

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