夢実現のため現実を見る本

誰にも将来の夢があります。その夢に向かって努力をします。例えばお医者さんになるのが夢ならば、医学部を卒業して医師国家試験に合格しなければなりません。弁護士や、公認会計士といった資格職はもちろん、公務員も同様でしょう。夢の実現には何かしらのハードルがあるものなのです。


夢は持たなければいけないのか?

中川淳一郎による『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘』(星海社新書)には、そんな夢に対する一歩引いた視点が描かれています。著者は大学を卒業後、大手広告代理店である博報堂へ入社します。その後、『テレビブロス』(東京ニュース通信社)の編集者を経て、ネットニュースをとりあつかうライターとなります。挑発的な言葉をなげかけることもあり、たびたび舌禍事件を引き起こしている著者でもあります。

仕事はルーチンなもの

著者は一見はなやかに見える広告代理店の裏側を描きます。スポンサー第一のなかで、試行錯誤を繰り返すさまは、なにか美談のようでいて「誰かのためにする仕事」「誰かのためにする気遣い」ばかりに埋め尽くされています。広告代理店の仕事はクリエイティブで自分の好きなことができる、自分の感性を活かせるようでいて、そうではないと思い知らされます。ですが仕事とはそういうもので、その中で自分なりに余暇を見つけたり、仕事に楽しみや面白みを見出していくのだといった、現実的な処方箋が本書には詰まっています。

    
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