キャッシュレス社会で勝ち組になる、近未来への必読書

先ごろ、日本のお札の肖像が新しくなることが発表され大きな話題になりました。そんな中で、「これが最後のお札の顔になるかも」という声も一部に聞かれます。一体それってどういうこと?お金の概念が大きく変わりつつある時代をわかりやすく解説するのが、『いま知っておきたい「みらいのお金」の話』という一冊です。著者は元衆議院議員で松田政策研究所代表の松田学さん。経済政策やサイバーセキュリティーの分野に精通し、関連の著書を多数書いています。

スマホ・SNS時代の劇的変化

スマートフォンやSNSなど、ネット越しのコミュニケーションツールが一気に日常レベルに浸透したこの10年で、世界で激しい変化を遂げているのが現金を使わないキャッシュレス化の動きです。日本では、Suicaやnanacoなど一部で現金不要の電子マネーが普及しているものの、世間全般的には、IT先進国の韓国や発展著しい中国などに比べると大きく立ち遅れていると言われています。

日本でも進むキャッシュレス化

しかし、海外からの観光客の増加や、2019年10月に予定されている消費税率引き上げ、さらに2020年の東京五輪を見据え、にわかにキャッシュレス化の機運が高まって来ているのも確かです。あと数年もすれば、お金のデジタル化、キャッシュレス化は確実に常識化するだろうと、本書は指摘しています。「渋沢栄一が最後のお札の顔になるかも」という声は、お札そのものの存在感が変わっていくかもしれない未来を暗示しているというわけです。

仮想通貨の基礎知識を備えよ

でも、急にキャッシュレスと言われても、「電子マネーと仮想通貨の違いがよくわからない」「〇〇Payって種類が多すぎて違いがわからない」など、次々に出現する新ワードに頭の処理が追いつかないとお嘆きの方も多いはずです。そんな、急激な変化に乗り遅れないための、基本的な知識を抑えておきましょうというのがこの本の狙いです。

正しい知識で身につく5つのメリット

本書は、仮想通貨の正しい知識を身につけ、上手に使いこなすことが大事だと強調しています。そのメリットとは、「誰でも発行できる」「世界中で同じ通貨が使える」「保管も送金もラクラク」「手数料が抑えられる」「価値がつけられなかったものに価値が生まれる」など。もちろん、これらのメリットを生み出す、仮想通貨の柱というべき「ブロックチェーン」の仕組みについても、わかりやすい図を使って親切に解説しています。

不安の声にも適切な対応

一方で、「でも、仮想通貨は危ないってテレビのニュースでいってたよ」と、その名前を聞いただけで不安な気持ちになる人が多いのも事実でしょう。実際に仮想通貨を巡って起こったトラブルにはどんな問題があったのか、今後起こらないと言い切れるのか、そうした否定的な見方にも、この本は抜かりはありません。仮想通貨が今後信頼性を高めていくために何が求められるのかなど、問題を覆い隠すことなくページを割いています。仮想通貨関連本にありがちな、単なる一方的な礼賛には走っていない点は好感が持てます。

中途半端な人の噂や情報に惑わされず、本当に必要な知識を身に着けて、来るべき新たなお金の時代でキャッシュレスを味方につける。本書はそのための頼もしいガイド役になってくれることでしょう。

筆者プロフィール 足立謙二 時事通信記者を経てフリーライターに。雑誌「昭和40年男」、ねとらぼなどエンタメ系サイト、書評系サイトなどを中心に執筆。

いま知っておきたい「みらいのお金」の話
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