ライフネット生命に学ぶ「保険料」の決まり方と選び方

生命保険を選ぶ上で大切なのは、保険料の決まり方を知ることです。生命保険のカラクリを理解しておくと、保険の仕組みがよりよく理解でき、賢く生命保険を選ぶことができます。ライフネット生命岩瀬大輔さんの著書「生命保険のカラクリ」より、どのように保険料が決まっていくのか。そして、保険料の決まり方を知った上で生命保険をどう選べばよいのかを紹介します。


死亡発生率

保険料の基本は、保険事故の発生確率であす。たとえば、ある契約者グループについて、毎年、1000人のうち1人が平均的に死ぬものと仮定します。亡くなった人の遺族に1000万円を支払いたいと思えば、1000人から1人あたり年1万円、保険料として集めれば、1000万円の支払いの財源を確保することができます。

ここで、保険で保障する範囲を広く取れば取るほど、保険事故が発生する確率が高くなるため、保険料は高くなりますまた、保険金の金額を高くすると、同様に1人あたりの保険料は高く取らなければいけません。

平準保険料方式

保険事故は年齢を重ねるごとに発生確率が高くなるので、本来、保険料は年をとるごとに高くなっていきます。たとえば、30歳と60歳の死亡確率は約12倍違うため、年齢ごとに保険料を上げていったら、おそらく約12倍という大きな金額になってしまいます。若いうちは少ししか払わず、年をとってからの保険料負担が非常に重くなるわけです。

そこで、保険会社では「若いうちに多めに取っておいて、年を取ってからの保険料を安くする」という「平準保険料方式」を取っています。これによって、若い頃から将来の保険金払いのための金額を積み立てておけます。

責任準備金

このような平準保険料方式によって、保険料は一定期間、上げずにすみます。そして、徴収した保険料のうち、一部をその年の保険金払いに使い、残りを将来の保険金払いのために貯蓄しておくことになります。これは責任準備金と言います。

予定利率

このようにプールされた保険料は、保険会社が運用することでいくらかの運用利益を得ることができます。これらは資産を増やすことが目的の資金ではないので、あくまでリスクの小さな範囲での運用を行い、期待される利回りはさほど高くありません。

しかし、それでも生命保険契約は10年、20年と長きにわたるため、長期運用による資産増加効果は小さくありません。いくらか安定的に運用利回りが期待できるのであれば、その分、保険料は安くすることができます。

このように、保険料を将来の分まで若干多く徴収し、それを運用することによって得られる利回りのことを「予定利率」と言います。期待利回りが高ければ高いほど、徴収する保険料は少なくてすむことになります。

付加保険料

保険という制度を維持・運営するためには、さまざまな活動が必要です。それは保険契約者を募る行為に始まり、契約者の審査や加入後の保険料徴収、そして保険事故が発生したときの請求処理業務。

企業体としてこれらの業務を運営していく上では、ITシステムを構築する必要があり、人事労務管理などの機能も必要です。オフィスがあれば家賃もかかります。このような一連の費用も、保険料に上乗せして契約者から徴収する必要があります。これを、「付加保険料」と言います。

ライフネット生命の付加保険料

ライフネット生命保険の死亡保険(定期)「かぞくへの保険」では、30歳男性、保険期間10年、保険金額3000万円の場合、月額保険料3484円のうち、約23%にあたる815円が「付加保険料」になっています。年間では9780円、保険期間の10年を通じては10万円近くになることを考えれば、保険選びをする上で無視できない金額です(本発行当時)。

保険料を決める3つの要素

以上をまとめると、保険料を決定する要素は大きくわけて3つあります

1. 保険事故の発生確率

確率が高いほど保険料も高くなる

2. 預かった保険料の予定利率

利率が高いほど保険料は安くてすむ

3. 事業運営のための経費・利益

経費が少ないほど、保険料は安くてすむ

この3つの要素を理解すれば、保険選びのポイントが分かってきます。

保障の対象をどこまで広げるか?

あらゆる保険事故を対象にしたり、保障する期間をきわめて長期にしたり、発生した場合に支払われる保険金などの金額を高く設定したならば、当然、保険料は高くなります。

どの金融商品もそうだが、「お得な商品」というものは存在しません。そこにあるのは、トレードオフの関係です。手厚いサービスのために高いお金を払うか、費用を節約するために、サービスの範囲を限定するかです。

保険の営業職員に何度も通ってきてもらい、丁寧に説明してもらうのは、通販やネットで自分で調べて購入するのに比べて、人件費がかかります。保険料を上乗せしてまで説明を受けたいか、その説明を受けるために、いくらまで高い保険料を覚悟するかが選択のポイントです。

対面型営業の場合、目の前にいる営業員は、生保を売ろうとする強力なインセンティブがあります。セールスの給与体系が歩合制に近ければ近いほど、その影響は大きくなります。実際、生命保険の契約を1件決めると、外資系生保の場合は初年度保険料の3割〜5割にもなります。保険料が毎月2万円の商品であれば、保険に加入してもらうと10万円のインセンティブ収入を得ることができます。

あなたは、百戦錬磨の生保営業マンから、自分が必要な情報と中立公平な商品説明を引き出すことができるでしょうか?

また、本来は保険商品がシンプルであれば、コンサルティングは必要ないはずです。米国でも、コンサルティングが行われるのは富裕層に対してだけです。一般顧客に対しては、そこまでの人件費のコストはかけらないため、コンサルティングまでは行いません。

死亡保険であれば、いくら保険をかけたいか、保険料はいくら払ってもいいか、期間をどう設定するか、の選択だけでいいはずです。

保険料1300円で1000万円か、保険料3500円で3000万円を選ぶか。10年にするか、20年にするかなど、を選べばいいのです。

となると、人件費が高い対面型の生命保険より、ライフネット生命に代表されるネット生命保険のほうが安くなります。保険料のカラクリを知ることで、適正な価格で自分に必要な保険の形が見えてくるのではないでしょうか? 岩瀬さんの著書「生命保険のカラクリ」は生命保険加入前に絶対読んでもらいたい本となっています。保険料で損をしたくない人におすすめです!

おすすめ本

「生命保険のカラクリ(岩瀬大輔)」

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