生命保険、個人年金などの保険料で所得税控除しよう! 保険料控除で節約するコツ

生命保険や個人年金、損害保険料などの保険料は税金の控除に利用できることを知っていますか? 年末調整や確定申告で保険料控除証明書を提出しますよね。これを保険料控除といいます。「所得控除」制度の一種です。今回は、保険料控除で節約するコツを紹介します。


保険料は所得税控除されます

生命保険料、個人年金保険料、損害保険料などは必要経費扱いのため、課税対象となる所得税から控除されます。所得控除の対象となるのは、その年の1月から12月までに支払った保険料です。保険料は、所得税、住民税両方で控除の対象になります。

所得控除

会社員は、「給与所得控除」という収入を得るための必要経費を会社員用に見積もったみなし経費で所得を控除しています。

「収入から必要経費を引いた額に税率をかける」というのが、納税額を計算する大まかな流れです。会社員の場合は、年収から給与所得控除を引いた額に税率をかけます。その税率をかける前に、「もう少し収入から必要経費を引きたい」人のためにある制度が「所得控除」です。

基礎控除、配偶者特別控除、扶養控除、社会保険料控除、医療費控除など14種類ほどあり、「生命保険料控除」もその一つです。「一般生命保険料控除」では、最大で5万円の所得控除が受けられます(年間で10万円以上の保険料を支払った場合)。

節税効果

例えば、所得税の税率が20%の人が5万円の所得控除を受けると、1万円(=5万円×20%)分だけ納める税金が少なくなります。所得控除の5万円は、まるまる税金の額から差し引かれるわけではありません。

税金の額からまるまる差し引ける控除(税額控除)も別にあり、住宅ローン控除はまるまる税金が差し引ける控除です。

生命保険による節税効果

生命保険に関する所得控除(生命保険料控除)には、一般生命保険料控除のほかに、「個人年金保険料控除」があります。最大で5万円(年間で10万円以上の個人年金保険料を支払ったとき)の所得控除が受けられるので、2つ合わせると、生命保険料控除全体で10万円分の所得控除が受けられます。具体的には、所得税の税率20%の人は、年間2万円(=10万円×20%)の税金が安くなります。

住民税も節税できる

所得税で所得控除を受けると、自動的に住民税でも所得控除されます。それぞれ最大5万円ずつ(合計10万円)の所得控除を受けるケースであれば、住民税の方でもそれぞれ最大で3万5000円(合計7万円)の所得控除が受けられるのです。

生命保険は、保険料を長い間にわたって払っていくものですから、この恩恵も数十年にわたります。適用要件を満たして、保険料控除の恩恵をもれなくしっかり受けましょう。

個人年金については控除が受けられないケースも

この2つの控除のうち、適用要件に注意を要するのが、個人年金保険料控除です。細かな適用要件が存在します。

一時払いした変額年金保険や外貨建て年金などでは、個人年金保険料控除を受けることができません。このように、個人年金保険料控除の対象外となった生命保険契約や特約部分の保険料は、一般生命保険料控除の対象になります。

また、医療保険やがん保険、民間介護保険、所得補償保険など、人の身体にかかわる保険は、損害保険が扱うものであっても一般生命保険料控除の対象です。いろいろな契約が対象にできるため、一般生命保険料控除(保険料ベースで10万円以上払うと5万円まで受けられる所得控除)の上限にすぐ達してしまうので注意しましょう。

個人年金保険料控除が受けられる商品の条件

年金受取人が契約者またはその配偶者のいずれかである
年金受取人が被保険者と同一人物である
保険料払込期間が10年以上
年金の種類が確定年金や有期年金の場合、年金受取開始が60歳以降で、かつ、年金受領期間が10年以上

この4つの条件が必要となります。

2012年から控除の枠組みが変更

2012年1月1日以後に締結した契約からは、生命保険料控除制度が変わります。一般生命保険料控除とは別枠で「介護医療保険料控除」が創設され、改正後は「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つとなります。それにともない、それぞれの保険料控除で受けられる上限額は、所得税で最大4万円(住民税2万8000円)に変更になります。

一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の枠は、現行では5万円ですが、2012年からは4万円に下がってしまいます。3つの控除の合計で考えれば、 合計所得税12万円(住民税は合計7万円のまま)なので、増額ということになります。

では、これまで5万円の控除を受けていたものがカットされてしまうのかというと、そうではありません。契約日が2011年12月31日以前に契約した保険については、2012年1月以後も、現行どおりに所得税5万円(住民税3万5000円)の控除という扱いになります。途中で契約内容の変更などをしない限りは、それぞれ最大5万円までの所得控除は継続できます。

2011年12月31日以前に契約した保険の所得税控除

年間保険料が25000円以下の場合
全額

25000円〜50000円以下の場合
(年間払込保険料×1/2)+12500円

50000円〜100000円以下の場合
(年間払込保険料×1/4)+25000円

100000円を超える場合
一律50000円

2011年12月31日以前に契約した保険の住民税控除

15000円以下の場合
全額

15000円〜40000円以下の場合
(年間払込保険料×1/2)+7500円

40000円〜70000円以下の場合
(年間払込保険料×1/4)+17500円

70000円を超える場合
一律35000円

2012年1月1日以降に契約した保険の所得税控除

年間保険料が20000円以下の場合
全額

20000円〜40000円以下の場合
(年間払込保険料×1/2)+10000円

40000円〜80000円以下の場合
(年間払込保険料×1/4)+20000円

80000円を超える場合
一律40000円

2012年1月1日以降に契約した保険の住民税控除

12000円以下の場合
全額

12000円〜32000円以下の場合
(年間払込保険料×1/2)+6000円

32000円〜56000円以下の場合
(年間払込保険料×1/4)+14000円

56000円を超える場合
一律28000円

一時払いや前納はどうなるのか

保険の支払いが月払い、半年払い、年払いの場合は、毎年、支払った保険料が保険料控除の対象になりますが、保険料を一括して支払う一時払いや保険料を生命保険会社に預け、払込期日に保険料を支払う全期前納の場合はどうなるのでしょうか?

一時払いや全期前納の場合、翌年以降の保険料もまとめて支払っている点では同じですが、一時払いの場合、控除を利用できるのは支払った年の1回だけになるため、保険料控除の点だけを考えると損をしてしまいます(ただし、まとめて支払うと保険料は割引されます)。

全期前納の場合は、保険料を保険会社に預けただけと考えるため、控除の対象になります。

保険料には節税の効果もあります。せっかく保険料を払っているので、きっちり控除を受け節税しましょう!

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参考リンク

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