かなり面倒! 預金・不動産の相続手続の流れ

預金・不動産の相続手続の流れがかなり面倒なことを知っていますか? 相続手続が面倒なことにはある理由が隠されています。


預金の相続は面倒

被相続人が亡くなった翌日銀行を訪ねて行って、被相続人名義の預金を引き出そうとします。窓口の行員がいつもお金を出しに来る被相続人ではないことに気づき、「代理人の方ですか」と聞いてきます。これに対して、被相続人が亡くなったことを説明すると、預金はロックされてしまいます。

銀行は、相続人が確定するまで、引き出しを認めなくなるのです。預金は金銭債権で可分なものですから、各相続人がその割合に応じて、引き出せてもいいような気がします。しかし、後日、その割合とは違った遺産分割協議がなされる恐れがあるので、銀行は引き出しを認めないのです。

預金の名義変更をする、または、解約するためには、被相続人の除籍謄本、相続人の戸籍謄本、相続人全員の印鑑登録証明書、遺産分割協議書(解約して各相続人に振り込むのではなく、誰か1人に名義を換える、または、法定相続分とは違う分割の仕方をする場合)をそろえる必要があります。しかし、これらをそろえるには何日もかかってしまいます。

ここで、被相続人の除籍謄本が出てきますが、これは被相続人の出生から死亡までのものをすべて集めなければなりません。本籍を移転している人は、前の本籍地からも取り寄せなければなりません。

また、平成6年に戸籍がコンピューター化される前の手書きの戸籍を改製原戸籍と言い、これも取り寄せなければなりません。というわけで、普通の人でも4~5通の謄本を取り寄せなければならないのです。

さらに、これを見ても、何のことやらわかりません。見慣れないと読解不能の代物です。弁護士とか、司法書士とかの専門家に任せた方が安心です。そして、これを見て、行方知れずの兄弟はいないか、認知した子はいないか、先妻の子はいないか等を厳密にチェックするのです。これをやっておかないと、相続人が他にいることに気づかずに遺産分割をしてしまう恐れがあるからです。

被相続人が亡くなると、「銀行に行って、キャッシュカードで当座必要な金を下ろせ」と言われるのは、葬儀を控えて手元にお金が必要なためです。でも、本当は、こんなことをやっちゃいけないのです。預金は被相続人が死んだ瞬間に相続人全員の同意なくして下ろすことはできないようになっています。

不動産の相続はもっと面倒

不動産の場合、相続が起こると、相続人全員の共有状態になります。共有とは、相続人が集まって1つの所有権を持っている状態で、各相続人は持分を持っている状態です。しかし、このままでは、不動産を売却したり、賃貸に出すためには、共有者全員の同意を得なければできません。非常に不便なのです。

ですから、不動産はすぐに売却するのならいざ知らず、そうでない場合は、その不動産を利用する人に譲るのがいいと思います。となれば、遺産分割協議書で、その趣旨の合意をする必要があります。

この場合には、不動産の所有権移転登記請求書、相続人の戸籍謄本、被相続人の除籍謄本、相続人の住民票、固定資産課税台帳謄本、相続人全員の印鑑登録証明書、遺産分割協議書が必要となります。

その上、不動産の場合には、登記が必要となりますので、登録免許税1000分の4がかかります。

預金と不動産の相続手続きはかなり面倒ですが、きちんと相続分割するために必要なのです。

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