2週間の入院が一番儲かる? 長く入院できない病院の裏事情

急なケガや病気で入院をしました。まだ完治とはなっていないのに早めに退院を勧められるケースがあります。実は、病院は長く入院できない仕組みになっています。今回は、長く入院ができない病院の裏事情を紹介します。


入院させたくない国の医療政策

診療報酬を決めるときは、人件費や物価上昇率なども考慮されますが、それ以上に影響しているのが国の医療政策です。なぜなら、医療機関は高い診療報酬がついた医療行為を積極的に取り入れるようになるので、国は充実させたいと思っている診療科や医療行為の報酬を高くします。つまり、診療報酬は国が考える医療政策に誘導するための重要な手段になっているのです。

たとえば、産科医不足が問題になったときは産婦人科の診療報酬を高くし、病院で働く勤務医の処遇改善をするためにカルテを記入する事務職員の診療報酬を新たに算定できるようにもしました。

今のようにほとんどの人が病院で最期を迎える構造が続くと、将来的に病院のベッド数は大幅に不足することが予想されています。そこで、大病院は手術や化学治療など高度な治療に専念し、診療所や中小病院は慢性期の患者の治療や在宅医療を行うように診療報酬での誘導を行っています。そのため、手厚い医療を行って早く患者を退院させると、病院の利益が増える診療報酬体系になっているのです。

入院基本料は看護師の配置人数によって異なり、1人の看護師が受け持つ入院患者が7人だと一番高くなります。そして、患者が10人、13人、15人と増えるごとに、基本料金は安くなっていきます。看護師の配置が7対1の施設基準を届け出るには、入院患者の平均在院日数が18日以内で、入院患者のうち重症患者が15%以上という条件もあります。

また、入院基本料には入院日数に応じた加算もあり、最初の2週間は高い診療報酬がとれますが、段階的に引き下げられ、31日目からは加算がなくなります。さらに、難病やがんの治療をしているなど特別な事情がないのに91日以上の長期入院をしている患者は、通常料金より診療報酬が引き下げられます。

高い診療報酬を稼ぐには、患者を早く退院させて、次々と新しい患者を受け入れる必要があります。入院日数が短縮され、長く入院できない背景には、このような診療報酬の仕組みがあるのです。

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参考本

「読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30(早川 幸子)」

    
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