退職後も健康保険が継続できる「任意継続被保険者」の保険料と手続き

会社を退職すると健康保険の被保険者の資格を失います。しかし、中には国民健康保険ではなく、健康保険を継続したい人もいます。そんなときに役に立つのが、退職後も健康保険を継続できる任意継続被保険者制度です。


任意継続被保険者とは

何らかの事情で会社をやめる場合、健康保険の資格がなくなります。しかし、資格喪失の前日まで被保険者期間が継続して2ヶ月以上あれば、退職後も2年間健康保険の被保険者でいることができます。この制度を「任意継続被保険者」と言います。

20日以内に手続き

任意継続被保険者になるためには、資格喪失日の20日以内に、手続きを行う必要があります(ただし、天災地変、交通・通信関係のストなど正当な理由があれば20日以降でも手続きができます)。健康保険任意継続被保険者資格取得申出書を保険組合の窓口に届け出ます。

任意継続被保険者の保険料

会社にいるときでも、健康保険料は高いと感じていたかもしれません。実は、会社はあなたの健康保険料を半分負担しています。そのため、任意継続被保険者になる場合、保険料は全額自己負担することになるため、保険料は2倍になります。また、料率変更や他都道府県への引っ越しなどがない限り、継続期間の2年間は保険料が変わりません。

40歳未満の場合

保険料金=退職時の標準報酬月額(*)×都道府県別の保険料率

40歳〜64歳の場合

40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者に該当する人は、さらに介護保険料率1.55%が加算されます。

保険料金=退職時の標準報酬月額(*)×(都道府県別の保険料率+1.55%)

国民健康保険よりお得?(*)

任意継続を利用する場合、保険料に上限があります。もしあなたの標準報酬月額が28万円以上の場合、標準報酬月額は28万円として計算されます。そのため、給料が高い人ほど任意継続被保険者を利用するとお得です。また、国民健康保険よりも任意継続被保険者を利用したほうが、保険料が安くなるケースが多いです。

国民健康保険料は市区町村によって保険料も異なり、所得割といって前年の所得によって保険料は変わります。どちらを選ぶべきかよくわからない場合は、国民健康保険の窓口にどちらがお得か相談しましょう。

支払い方法

毎月の保険料は、月初めに送付される納付書を毎月10日までに支払います。納付方法は、コンビニ、金融機関、ATM、インターネットバンキング、口座振替などで料金を支払うことができます。また、6ヶ月分、12ヶ月分および任意継続被保険者となった翌月分から9月分まで(または3月分まで)を前納することができます。また、前納すると割引があります。

保険料の支払いを忘れるな!

任意継続被保険者で一番怖いのは、毎月の保険料の支払い忘れです。1日でも支払いが遅れると、被保険者資格がなくなります。10日までの支払いはお忘れなく!

傷病手当金と出産手当金は受けられない

任意継続被保険者である間は、働いている時と同じ保険や給付を受けることができます。ただし、傷病手当金と出産手当金は、受け取ることができません。なぜなら、この2つは、会社休業中の手当だからです。

参考リンク

「傷病手当金」

参考リンク

「出産手当金」

ただし、資格を喪失する前日までに継続して1年以上健康保険の被保険者で、資格を喪失した際に受けていた傷病手当金と出産手当金は、引き続き受けることができます。傷病手当金は1年6か月間、出産手当金は出産前後合わせて原則98日間の範囲内で、支給を受けることができます。この期間から被保険者である間にすでに支給を受けた残りの期間分の手当金を受けることができます。

任意継続被保険者になってから2年後の手続き

任意継続被保険者となってから2年経過すると、任意継続被保険者でいることはできません。他の健康保険への加入手続きが必要です。

1. 健康保険などの被保険者となる場合

勤務先の事業主が手続きをします。

2. 家族の被扶養者となる場合

家族の勤務先の事業主が手続きをします。

3. 国民健康保険の被保険者となる場合

お住まいの市区町村役場の国民健康保険担当窓口が手続きをします。

4. 後期高齢者医療の被保険者となる場合

75歳になる場合、後期高齢者医療の被保険者となるため手続きはいりません。65歳以上75歳未満の一定の障害のある方が加入しようとするときは、市区町村の窓口へ相談しましょう。

任意継続被保険者は、国民健康保険よりも保険料が安くなることが多く、健康保険の給付(一部除く)を受けることができます。退職の際には、どちらがお得か検討するようにしましょう。

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