先進医療、保険診療、自由診療の基本を理解しよう!

よくわかりづらい、先進医療、保険診療、自由診療の違いを紹介します。


先進医療

先進医療とは保険対象にするかどうかを評価する実験段階の医療のことです。よく、難病や不治の病を治すには、先進医療が必要と思われています。しかし、先進医療は決して夢の治療法ではありません。

保険診療

病院や診療所で受ける診察、検査、手術などの医療行為のほとんどは、健康保険の「療養の給付」の対象で、患者はかかった医療費の一部を負担するだけで必要な医療を受けられます。これを保険診療といいます。しかし、提供されている治療や薬のすべてに健康保険が適用されているわけではありません。

医療技術は、次々と新しい治療法や新薬が開発されています。医療技術は、実験を重ねて安全性と有効性が確認され、副作用も少なく、広く一般に普及できると判断されてはじめて医療現場で使われるようになります。そして、実績が積み重なって評価が定まると健康保険が適用され、誰でも使える治療として全国に広がっていきます。

こうした段階を経ないと健康保険が適用されないのは、評価の定まらない治療によって国民が健康被害を受けないようにするためです。健康保険は医療の安全を守る役割も果たしています。

自由診療

健康保険の適用を受けていない治療のことを自由診療といいます。こちらは、期待できる効果は様々です。よくテレビでアメリカに手術を受けに行くシーンをみかけますが、まさにあれが自由診療です。自由診療は、医療機関が独自に決めた価格になります。健康保険は使えないので、費用は全額自己負担になります。

しかし、国は自由診療を受けることを禁止しているわけではありません。受けるかどうかは患者の判断に任されており、健康保険のきかない治療を受けたい人は、個人の責任において治療を受けることができます。

ただし、保険医療機関では、国が許可していない薬や医療機器を勝手に使うことは法律で禁止されています。評価の定まらない怪しげな治療が広がることを防ぐための規制で、これを破って保険医療機関で健康保険が適用されていない自由診療を行うと、通常なら健康保険が使える治療も、患者は全額自己負担しなければいけなくなります。このことを「混合診療の禁止」と言います。

混合診療は部分的に認められている

保険医療機関で治療を受ける場合、「保険診療」と「自由診療」を並行して使う混合診療は、原則的に禁止されています。しかし、がんや難病の患者で他に治療法の見つからない人は、健康保険が適用されていなくても新しい治療法や薬を試すことがあります。

こうした患者の事情や希望を汲んで、選択肢を増やすという目的で2006年に作られたのが保険外併用療養費です。

これは、厚生労働大臣が認めた自由診療に関しては、健康保険がきく保険診療との併用を特別に認めるというもの。自由診療部分の費用は全額自己負担になるけれど、健康保険が適用されている検査や治療については通常通りの一部負担金で利用できることになっています。つまり、法律では禁止されている混合診療を部分的に認めることによって、患者の負担を少しでも軽くしようとしています。

保険外併用療養費は、選定療養(差額ベッド料、時間外診療、予約診療、制限回数を超えた治療など)、評価療養(先進医療、臨床試験中・治験中の医薬品や医療機器による診療など)に分かれています。

選定療養

選定療養は、治療内容に影響のない差額ベッド料や予約診療など、プラス料金を全額自己負担すれば患者が望む療養環境を利用できるというもので、今後も健康保険が適用されることはありません。

評価療養

一方、評価療養は、新しく開発された薬や治療法などで、今後、健康保険を適用するかどうかを評価している段階のものです。有効性と安全性が認められて、広く一般に普及できると判断されると、健康保険が適用されるようになります。反対に効果が認められなかったり、副作用が多かったりすると、評価療養から外されることもあります。

先進医療は標準治療ではない

先進医療は標準治療ではありません。「標準治療」は「先進医療」よりも古い治療と考える傾向にあります、医療者の常識は逆です。標準治療は国内外の最新の研究成果を踏まえ、最も治療効果が高いと推奨される治療法のことなのです。

参考リンク

「がん治療の先進医療は超高額? まさかの先進医療に備える先進医療特約!」

参考本

「読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30(早川 幸子)」

    
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