厚生年金独自の「加給年金」と「振替加算」

厚生年金だけの制度であり、年金のわかりにくさの原因となっている加給年金と振替加算を紹介します。基本的には、厚生年金でもらえる金額を計算するときに利用します。


加給年金

加給年金は、厚生年金の受給者に配偶者(事実婚でもOK)や18歳未満の子供がいるときに受け取ることができます。国民年金にはない、厚生年金だけのメリットです。

加給年金額

厚生年金保険の被保険者期間が20年以上または40歳(女性の場合は35歳)以降15年ある方が、定額部分支給開始年齢に達した時点で、その方に生計を維持されている下記の対象者がいる場合に支給されます。65歳からの加給年金額は、60歳から64歳の加給年金額にプラスして、配偶者加給年金額の特別加算額が加算されます。

配偶者の加給年金額

224,000円

ただし、65歳未満であることが条件です。また、大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません。また、前年度の年収が850万円未満であること(ただし、現在の年収が850万円以上でも、所得額がおおむね5年以内に850万円未満になると認められる場合など、一定の場合には支給される)も条件です。

子の加算

第1子・第2子は、各224,000円
第3子以降は、各74,600円

子供の条件は、18歳到達年度の末日を経過していない子、または、20歳未満で障害等級1級または2級の障害者です。

配偶者加給年金額の特別加算額

平成25年10月分から

昭和9年4月2日~昭和15年4月1日は、特別加算額として33,000円
昭和15年4月2日~昭和16年4月1日は、特別加算額として66,100円
昭和16年4月2日~昭和17年4月1日は、特別加算額として99,200円
昭和17年4月2日~昭和18年4月1日は、特別加算額として132,200円
昭和18年4月2日以後は、特別加算額として165,200円

振替加算

老齢厚生年金、障害厚生年金における加給年金は、配偶者が65歳になって配偶者自身の老齢基礎年金がもらえるようになると振替加算による支給がなくなってしまいます。その後、加給年金は配偶者の老齢基礎年金で振替加算という形で受け取ることができます。このことを振替加算と呼びます。

振替加算の対象者

振替加算の対象となる妻(夫)は、通常、その妻(夫)が老齢基礎年金を受給する資格を得たとき(満65歳到達時)において、その夫(妻)が受けている年金の加給年金額の対象となっていた方のうち、次の条件を満たしている方になります。

1. 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていること。
2. 妻(夫)が老齢基礎年金の他に老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険または共済組合等の加入期間が240月未満であること。
3. 妻(夫)の厚生年金保険または共済組合等の35歳以降の(夫は40歳以降の)加入期間が、次の期間未満であること。

昭和22年4月1日以前は、180月
昭和22年4月2日~昭和23年4月1日は、192月
昭和23年4月2日~昭和24年4月1日は、204月
昭和24年4月2日~昭和25年4月1日は、216月
昭和25年4月2日~昭和26年4月1日は、228月

振替加算は妻の老齢基礎年金に上乗せ

振替加算は、加給年金の対象となっていた妻自身が老齢基礎年金をもらいはじめるときに上乗せ支給されます。ただし、加給年金ほどの額はもらえません。年齢が若いほど少なく、昭和41年4月2日以降生まれは振替加算はありません。昭和41年4月2日以降生まれの人が振替加算を受け取ることができない理由は、昭和61年4月の年金大改正で、すべての国民が強制加入(国民皆年金)となったため、昭和61年以降に20歳を迎える人は自分の老齢基礎年金がもらえるからです。

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参考リンク

「特別支給でもらえる老齢厚生年金額と計算方法(60歳〜64歳)」

    
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