老齢基礎年金の繰上げ受給

老齢基礎年金は、65歳から受け取ることができます。しかし、老齢厚生年金が支給されるまでタイムラグがある場合など、その間の収入を確保することができない人もいます。そこで、老齢基礎年金支給時期を60歳~64歳までの間で受け取り時期を早めることができます。ただし、繰上げ支給をすると年金額は少なくなります。それでは、老齢基礎年金の繰上げについて紹介します。


繰上げ受給のしくみ

繰り上げ受給の支給率は、生年月日で変わります。平成13年に、平均寿命が延びたため、支給率に関する法改正が行われたからです。昭和16年4月1日以前に生まれた人に対しては、法改正前の受給率、昭和16年4月2日以降に生まれた人に対しては改正後の受給率が適用されます。

老齢基礎年金の減額率

老齢基礎年金の減額率は、昭和16年4月1日を境に変わります。

昭和16年4月1日以前に生まれた人

減額率は、

60歳で42%
61歳で35%
62歳で28%
63歳で20%
64歳で11%

となっています。

昭和16年4月2日以降に生まれた人

減額率は、月単位で計算されます。1か月請求が早くなるごとに0.5%の減額率が加算されます。全部繰り上げする場合は、年金額の30%が減額されます。

繰上げ受給のデメリット

繰り上げ受給を申請した場合、変更はできません。65歳になっても減額された受給額、障害基礎年金を受給できないなどのデメリットもあります。それでは、年金を繰上げする際のデメリットを紹介します。

老齢基礎年金繰り上げによる共通のデメリット

国民年金に任意加入中の方は繰上げ請求できません。また、繰上げ請求後に任意加入することはできず、保険料を追納することもできなくなります。

受給権は請求書が受理された日に発生し、年金は受給権が発生した月の翌月分から支給されます。受給権発生後に繰上げ請求を取り消したり、変更したりすることはできません。

老齢基礎年金を繰上げて請求した後は、事後重症などによる障害基礎年金を請求することができなくなります。

老齢基礎年金を繰上げて請求した場合、65歳になるまで遺族厚生年金・遺族共済年金を併給できません。

老齢基礎年金を繰上げて請求した後は、寡婦年金は支給されません。また、既に寡婦年金を受給されている方については、寡婦年金の権利がなくなります。

老齢基礎年金を繰上げて請求すると、減額率に応じて生涯減額されます。このため、受給期間の長短により、繰上げ請求しない場合よりも受給総額が減少する場合があります。

老齢基礎年金全部繰上げのデメリット

老齢基礎年金を全部繰上げて請求する場合、特別支給の老齢厚生 (退職共済) 年金のうち基礎年金相当額の支給が停止されます。報酬比例部分は支給されます。

老齢基礎年金一部繰上げのデメリット

老齢基礎年金の一部繰上げの請求は、特別支給の老齢厚生(退職共済)年金の定額部分の支給開始前でなければ行うことができません

老齢基礎年金を繰上げて請求した後は、障害者の特例措置及び長期加入者の特例措置を受けることができなくなります。

老齢基礎年金を一部繰上げて請求した後、厚生年金保険に加入した場合、報酬比例部分及び繰上げ調整額は、在職支給停止の対象となります。

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