老齢年金の繰下げ受給

老齢年金は、65歳から受け取りを開始することができます。しかし、年金の受取開始時期を遅くすることで、年金でもらえる金額を増やすことができます。


繰下げ受給とは

繰り下げ受給とは、65歳から受け取れる年金の受取開始時期を最大70歳まで延長させることで、年金でもらえる金額を増やすことができます。増額率は死ぬまで続きます。長生きをすればするほど得をします。ただし、早く死亡した場合、損することになります。繰り下げ受給の増額率は、平成13年の法改正により昭和16年4月1日を境に、増額率が異なります。

昭和16年4月1日以前に生まれた人

66歳で12%
67歳で26%
68歳で43%
69歳で64%
70歳で88%

の増額率となります。

昭和16年4月2日以降に生まれた人

昭和16年4月2日以降に生まれた人の場合は、月単位で増額率が加算されます。1か月毎に0.7%ずつ増額率が増えていきます。

繰下げ請求9の注意点

繰り下げ受給も、繰上げ受給同様一度申請すると、変更はできません。それでは、繰下げ請求をする際の注意点を日本年金機構より紹介します。

1. 繰下げできるのは、他年金の権利が発生するまでの間

ただし、65歳に達した日から66歳に達した日までの間に、遺族基礎年金、障害基礎年金(老齢厚生年金の繰下げの場合は、障害基礎年金を除く)もしくは厚生年金保険や共済組合など被用者年金各法による年金(老齢・退職給付を除く。昭和61年改正前の旧法による年金を含む。)を受ける権利がある場合は、繰下げ請求をすることはできません。

2. 他年金の権利が発生したら、すみやかに年金の請求手続きを行う

66歳に達した日より後に他の年金を受ける権利ができた場合は、その年金を受ける権利ができた時点で増額率が固定されます。この場合、65歳からの本来支給の老齢基礎年金及び老齢厚生年金をさかのぼって請求するか、増額された繰下げ支給の老齢基礎年金及び老齢厚生年金の請求をするかを選択できます。ただし、平成17年3月31日以前に他の年金を受ける権利がある場合は、老齢基礎年金の繰下げ請求はできません。

3. 繰下げ請求は、老齢基礎年金の権利発生から1年以上待つ

65歳に達した日以後に年金の受け取りに必要な加入期間を満たして老齢基礎年金を受ける権利ができた方で、繰下げ請求を予定している場合は、その受ける権利ができた日から1年を経過した日より後に繰下げ請求ができます。

4. 老齢厚生年金と老齢基礎年金をそれぞれに繰下げ時期を選択できる

昭和17年4月2日以降生まれの方(平成19年4月1日以降に老齢厚生年金を受ける権利ができた方を含む)は、老齢厚生年金と老齢基礎年金を別々の希望月で繰下げできます。

5. 加算額は、繰下げしても増額されない

加給年金額(配偶者加給年金、子の加給年金)及び振替加算額は、繰下げしても増額されません。また、繰下げ待機期間中は、加給年金部分及び振替加算部分のみを受けることはできません。

6. 支払いは繰下げ請求の翌月分から

繰下げ待機は最大70歳までとなります。繰下げによる年金は、請求された月の翌月分からの支払いとなります。70歳到達(誕生日の前日)月を過ぎての繰下げ請求は、請求時期にかかわらず70歳到達時点の増額率となるため、70歳到達月より後に請求が行われても、それ以上に年金額が増額されることはなく、また請求月以前の年金についてもさかのぼって支払われないこととなります。必ず70歳到達月までに請求してください。

7. 「繰下げによる増額請求」か「増額のない年金をさかのぼって受給」を選択

繰下げ請求をせず、66歳以後に65歳にさかのぼって、本来支給の年金を請求することもできます。70歳到達(誕生日の前日)月より後に65歳時にさかのぼった請求が行われると、時効により年金が支払われない部分が発生します。必ず70歳到達月までに請求してください。

8. 遺族が代わって繰下げ請求は不可能

繰下げ待機中に亡くなられた場合で、遺族の方からの未支給請求が可能な場合は、65歳の本来請求で年金決定されたうえで未支給年金として支払われます。

9. 在職中調整後の年金が増額の対象

繰下げ待機中に厚生年金保険の被保険者となった場合は、65歳時の本来請求による老齢厚生年金額から在職支給停止額を差し引いた額が、繰下げによる増額の対象となります。

長生きをするほどお得なのが、繰り下げ受給です。ただ、人がいつ死ぬかは誰にもわかりません。きちんと考えた上で申請をしましょう。

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