遺族基礎年金がもらえない場合に役立つ「寡婦年金」と「死亡一時金」制度

厚生年金に加入している夫が亡くなった場合、妻は子供がいなくても遺族厚生年金をもらうことができます。しかし、自営業など国民年金だけに加入している第1号被保険者の夫が亡くなった場合、妻は子供がいないと遺族基礎年金をもらうことができません。このような不公平を調整するために寡婦年金と死亡一時金があります。


寡婦年金の条件

寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が25年以上ある夫が亡くなったときに、10年以上婚姻関係にあり、生計維持されていた妻が受けることができます。

寡婦年金の金額

60歳から65歳まで夫がもらったと仮定し計算した老齢基礎年金の4分の3を受け取れます。満額であれば、778,500円(平成25年10月現在)の4分の3を最大5年間受けることができます。

死亡一時金の条件

寡婦年金をもらう条件がそろっていない場合にもらえるのが、死亡一時金です。死亡一時金を受けるには、国民年金第1号被保険者として保険料を3年(36月)以上、保険料を納めていることが条件です。死亡一時金は、最も優先順位の高い遺族、つまり、配偶者>子>父母>孫>祖父母>兄弟姉妹の順番で、一時金として支給されます。

死亡一時金の金額

死亡一時金の金額は、12万円から32万円です。死亡一時金を受ける場合、免除された期間については、4分の1免除期間は保険料納付済期間の4分の3、半額免除期間は保険料納付済期間の1/2、4分の3免除期間は保険料納付済期間の4分の1として計算します、全額免除期間は保険料納付済期間とみなされません。

3年以上15年未満の場合、120,000円
15年以上20年未満の場合、145,000円
20年以上25年未満の場合、170,000円
25年以上30年未満の場合、220,000円
30年以上35年未満の場合、270,000円
35年以上の場合、320,000円

*付加保険料を納めた月数が36月以上ある場合は、8,500円が加算されます

寡婦年金と死亡一時金の両方がもらえるとき

寡婦年金の支給条件と死亡一時金の支給条件の両方を満たしている場合、どちらかを選択して受け取ります。

どちらを選択するかは、実際の自分の置かれた立場を考えて慎重に選ぶ必要があります。妻がまだ60歳になっていない場合、寡婦年金のほうが有利です。しかし、夫が死亡した時の妻の年齢が65歳に近い場合は、死亡一時金のほうが有利になります。

寡婦年金がもらえないケース

寡婦年金がもらえないケースがあります。それは、妻の年齢が65歳以上もしくは、老齢基礎年金の繰上受給をしているケースです。なぜなら、遺族年金、死亡一時金、寡婦年金は、どれか1つしか受け取ることはできません。遺族基礎年金がもらえない妻のために、寡婦年金と死亡一時金があるからです。見落としがちなので注意しましょう。

死亡一時金の注意点

死亡一時金は、遺族基礎年金を受けている場合は受け取ることはできませんが、遺族厚生年金を受けている場合は、死亡一時金を受け取ることができます。

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