給料変更時の「随時改定」による社会保険料変更の条件と注意点

出世や降格などで、給料の固定金額部分が大きく変動する時があります。その場合、社会保険料が給料の実態と大きくずれているため、社会保険料を再度計算する必要があります。このような場合は、「随時改定」により、新しい社会保険料を計算します。


随時改定による社会保険料の計算方法

標準報酬月額は原則として1年に1回だけ行いますが、昇給や減給により大幅に標準報酬月額が変わることがありますよね。そうすると、保険料が実態とかけ離れてしまうため、再計算する必要があります。そこで、以下の条件の場合、次の定時決定を待たずに標準報酬月額を変更します。このことを随時改定と言います。

随時改定の3つの条件

1. 昇給、減給により固定的賃金に変更があった(ベースアップ、固定手当の増加など)
2. 固定的賃金の変動月からの3ヶ月に支払われた報酬の平均金額が、現在の標準報酬月額に比べて2等級以上上がった、もしくは、下がった
3. 3ヶ月とも報酬支払基礎日数が17日以上ある

この3つの条件が揃った場合、随時改定が行われます。

残業代(非固定賃金)の注意点

随時改定は、2等級以上の標準報酬月額の変更が起きた時に行われます。しかし、「固定的賃金に変更」とあるように、給料のベース金額が変わった場合に適用されます。そのため、残業代など(非固定賃金)により標準報酬月額が2等級以上変わった場合は、随時改定は適用されません。

ただし、固定賃金が上がっても、残業代が減り、2等級以上下がった場合は随時改定は適用されません。逆に、固定的賃金が下がっても、残業代が増え、2等級以上上がった場合も随時改定は適用されません。

休職時の注意点

休職による休職給を受けた場合は、固定的賃金に変動があるとみなされないため、随時改定にはなりません。ただし、一時帰休(レイオフ)は随時改定の対象となります。

標準報酬月額の上限と下限の注意点

標準報酬月額は、健康保険では第1級から第47級の全47等級、厚生年金は、第1級から第30級の全30等級に区分されています。健康保険であれば、第2級はどうやっても第1級以下にはならないし、第46級は、第47級以上にはなれません。

このように等級の上限と下限のギリギリの場合は、本来であれば2等級以上の差が生じるような変動があった場合に随時改定を行います。

随時改定の保険者算定

給料の支払いが遅れて、随時改定の計算月に別途遅れた支払いが支払われた場合、本来の社会保険料より高くなってしまいます。また、過去にさかのぼって昇給した場合の支払いが、随時改定の計算付きに別途支払われると、差額によって社会保険料が変化してしまいます。

このような場合は、差額支給分を差し引いて、標準報酬月額が計算されます。

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