金貸しと金借りが世の中を潤す

世間では、どんなに親しい人でもお金の貸し借りはしないほうがいい、と言います。金貸しにはダークなイメージもあります。しかし、お金も元々は「モノ」だったのです。ここでお金の歴史をひもといてみましょう。

「金」の預かり証が貨幣の始まり

そもそも経済は物々交換から始まったのですが、モノでは持ち運びが不便で面倒でもあるので、それで「金(きん)」などを媒介にするようになったのです。 さらに金の持ち運びも、盗難の恐れなどなかなか危険を伴うものなので、これを「金庫(まさに!)」に入れて保管し、その預かり証を金の代わりにしたのです。 実はこれが「貨幣」の始まりです。 こうして物々交換経済は貨幣経済へと移行していくのです。

銀行の発端は金貸しだった

さらに、金庫番をしている人は、お金を金庫に預けている人が、みな一斉にお金を取りに来ることはまずあり得ないので、預かっている金の量よりも多くの預り証(貨幣)を発行してもパニックは起こらないと考えて、お金を借りに来た人に、貨幣を発行するようになります。 つまり、金の預かり分よりも多くの貨幣を発行するわけですが、これが「銀行」の始まりです。

銀行が破たんする「取り付け騒ぎ」とは

こうしているうちに、外目にも「あそこは貨幣を発行しすぎだ」と見てとれる金庫番(銀行)のところに、危険を感じた人たちが一斉に預けていた金を取りに来て、もし金庫番(銀行)がその全額に応じられなくなれば、破たんです。 これを「取り付け騒ぎ」といいます。

金貸し機能と貨幣供給を分けた社会の進化

ところがそんなふうに銀行に破たんされると、人々が安心して商売ができず、社会全体が困るので、中央銀行という銀行を作り出し、中央銀行だけが貨幣を作れるというルールを作ったのです。 銀行に取り付け騒ぎが起きた場合には、中央銀行がいくらでも貨幣を供給できるので、結果として人々は安心し、取り付け騒ぎが起きなくなります。 こうして、人々は安心して商売や社会生活を営めるようになるのです。

金貸しを通じて潤う経済

中央銀行制度の下では、各銀行は、中央銀行に一定の量の預金をつめばその何倍かまで、人々にお金を貸し出してよい権利が与えられます。 マネーサプライ(マネーストック)はこうして、お金が借りられること(つまりお金を貸し出すこと)を通じて増えていきます。 そしてこのマネーサプライが増えていくことで、経済が潤っていくのです。

金貸し機能の停滞が今の日本経済

――ざっくりといえばこれが「お金の歴史」「経済の成り立ち・しくみ」なのですが、要は、「お金を貸すカネカシ」と「お金を借りるカネカリ」の両者があって経済が成り立ち、そしてその両者の間で健全にお金が動いていけば、経済が潤うということです。 しかし今の日本では、この「カネカシ」がきちんと機能していないばかりに、お金の流れがせき止められてしまい、経済発展が阻まれているということなのです。

【まとめ】

・物々交換経済は貨幣経済へと移行し、金貸し機能と貨幣供給を分けた社会へと進化した。 ・「お金を貸す金貸し」と「お金を借りる金借り」の両者があって経済が成り立ち、社会が潤う。 ・今の日本では、この金貸し機能が停滞しているためにお金の流れがせき止められ、経済発展が阻まれているのです。経済問題の全容が見えましたか? ★ 参考図書『セカンドマネーを創りなさい! 』瀧本憲治著 ぱる出版