日本とアメリカ、明暗を分けたリスクとの向き合い方

リスクは避けるべきもの。リスクを回避しておけば安全。日本にはこのような考え方が浸透しています。しかし、「リスクを取らないこと」にもリスクが生じていることに皆さんお気づきでしょうか?「リスクを取らないリスク」の著者である堀古英司氏は、リスクと向き合うことの大切さを強調しています。


■リスクを取るアメリカ、リスクを取らない日本

資本主義社会は、リスクを背負ったものに対してご褒美が与えられる仕組みになっています。
日本の株価は、1989年12月に史上最高値を付けて以降、25年近く高値を更新できない状況が続いています。また、日本の名目経済成長率もここ20年間ほぼ横ばいになっています。対して、アメリカはここ20年の間に数度のリセッション期(景気後退局面)を迎え、更には2008年のリーマン・ショック後、経済成長率が4四半期連続でマイナスになったにも関わらず2013年後半には3%台にまで回復しました。

リスクを背負わないと、リターンを得ることはできません。アメリカは金融危機に直面した際、積極的に国債を購入する量的金融緩和を実施しました。対して日本は量的金融緩和を躊躇してしまいました。

結果、アメリカがリスクを背負ったことで成長し続けられたのに対し、日本はリスクを恐れ回避し続けたばかりにリターンを得ることが出来なかったわけです。
リスクを恐れるあまり、リスクを取っていたら得られていたはずの利益を得られなかった。これは十分損失と言えます。リスクは回避するもの、と自動的に認識してしまうのではなく、このリスクを回避したときに得られない利益がどれほどのものかを検討することが、「リスクを取らないリスク」との向き合い方です。

■「リスクを取らないリスク」は個人にも言える

国という大きな話にしてしまうと他所事のように感じてしまいますが、この「リスクを取らないリスク」は私たちの生活の身の回りにも潜んでいます。「今の会社を辞めて転職をしてみたいが辞めた時のリスクが怖くて出来ない」とか「自分の財産を増やしたいが損失が怖くて投資に手が出せない」というのも、リスクを恐れるあまりに「リスクを取らないリスク」を背負ってしまっている状態です。

改めて、今の環境や状況が自分の能力を最大限に生かすことができるものなのかどうか、そしてそれに見合ったリターンが用意されているかどうかを検証してみましょう。もしそうでないのならば、自分の能力を最大限生かし、それに見合ったリターンが期待できる環境を想定し、多少のリスクを負ってでもそこへ行くのと、そこで期待できるリターンを捨てて今のままでいるのと、どちらがよりよい選択かを考えてみましょう。

ハイリターンにはハイリスクが付きまとうもの。このことは胸に刻んでおきたいものです。

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