世界のウメハラが考える「勝つこと」と「勝ち続けること」の違い

先日、プロ野球選手の松井選手が引退しました。アメリカへ渡ったものの、怪我などで日本にいた時以上の結果は出せずじまい。一方で、イチローは40歳を目前にして第一線でプレーし続けています。同じプレーヤーでもこんなに大きな差が出るのはなぜでしょうか。その答えをプロゲーマーとして世界一を維持し続けるウメハラ氏が考えました。勝負で勝つ方法や勝つための努力の仕方、勝ち続けるために必要なのは何なのかといった疑問に答えます。


■「勝つこと」に執着している人間は「勝ち続けること」ができない

一口に「勝つ」と言っても「勝つこと」と「勝ち続けること」があります。言葉としては似ていますが、はたして両者は同じなのでしょうか。答えから言うと違うのです。二つは根本的に性質が異なるものであり、達成するための手段はそれぞれなのです。そして、そのための手段は時として正反対のものになることもあります。

■なぜ世界一になるほど没頭できたのか

「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネス記録にもなっているウメハラ氏ですが、なぜ世界一になるほどゲームに没頭できたのでしょうか。その理由の一つには「ゲームが好き」というのがあるでしょう。しかし、相当ゲームが好きであるというだけでは勝ち続けることはできないばかりか、ウメハラ氏は迷わずゲームに打ち込んでいたわけではありません。

何が自信につながっていったかと言えば、ゲームの上手さや強さではなく、取り組み方にありました。具体的には、苦手なものを克服しようとしたり、あえて厳しい道を選んだりする取り組み方、高みを目指す姿勢を貫いたという事実が自信に繋がったそうです。手を抜かずに徹底的に追求し、苦手なことにも臆せずぶつかり真摯に克服することが自信に繋がったとのことです。

■勝ち続けるために気付くべきこと

人と人との戦いにおいて、勝敗は微妙なバランスで決まります。生まれつきの頭脳や理解力、運動神経や反射神経も関係してくるのは確かですが、それらのみで決定されるわけではありません。仮にそうであるならば、サッカーでは運動神経が一番良い選手が一番上手い選手が成功し続け、頭が良い人が最も成功し続けているはずです。しかし、現実はそうではないですよね。

1. 分析する

勝敗を決するプラスの要素とマイナスの要素、その両方を分析して努力を続けない限り、勝ち続けることはできません。それを自覚しない限り、いつまで経っても偶然に身を任せることになり「あのゲームだけは強いけど」という過去の人になってしまいます。

センスや運、一夜漬けで勝利を手にしてきた人間は勝負弱く、勢い任せで分析を怠ってきた人間は、究極の勝負の場面で惹かざるを得ません。一夜漬けでどれだけ頑張っても、好きで細かい積み重ねをしてきた人間には勝てない、それを覚えておくべきです。

2. ひとつにこだわらない

ほとんどの人は、実力が付けばつくほどに自分なりのスタイルというものを確立してしまいます。自分の才能に頼るとか、ひとつの勝ち方にこだわるような人は、必ず落ちていきます。最も悪いのは、自己分析して自分のスタイルを決めるのではなく、他人の評価を鵜呑みにしてしまうこと。自分の持ち味はこれなのだと勘違いして、それを生かそうとして勝とうとするのは愚の骨頂です。

3. 楽な手を使わない

今の時代、ネットを使えばあらゆることを省略して結論だけ手に入れることができます。ラクに勝つ方法を見つけ、それを実践すれば楽に勝つことができるでしょう。そういった手を使わないのは、非効率的であることは否めず、気持ちも負けそうになります。しかし、そこで気持ちが負けて、便利で簡単な戦法を選んでしまうと、確実に成長が止まってしまいます。それだけは確かです。

4. 勝負の本質を考える

勝負の本質とは何か、それは「勝つために最善の行動を探ること」です。それも自分の成長を止めないような。時たま、趣味嗜好を勝負に持ち込む人が居ますが、それは間違いです。そもそも勝負の本質は、その人の好みやスタイルとは関係のないところにあります。勝てたのは得体の知れない自分という存在が相手を圧倒して手にした勝利などでは決して無いということを知っておく必要があります。

一回勝つことは工夫すれば出来ます。しかし、勝ち続けることは一筋縄ではいかないということです。

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