フルサトを作ってみよう

フルサトというのはあなたにはあるでしょうか。田舎がある人はよいとして、都市部に生まれて都市部に育った人には、帰るべき田舎や実家などはないという人も少なくないでしょう。しかしながら、そういう人も、フルサトがないからと諦めてしまうのは早計です。なければ作ればいい、そのようなシンプルな思考に向き合った本が伊藤洋志とphaによる『フルサトをつくる』 (ちくま文庫) です。


作ってしまう

本書は、近年流行っている移住ブームなどから一歩引いた視点を提供しています。定住か移住か、都会か田舎かといった二者択一を越えて、もうひとつの本拠地を作ろうとした人たちの記録です。もともとシェアハウスをやってきた人たちが、新しい場所に物件を探して、なんでも自分たちで作っていくまでをわずか数ヶ月で成し遂げています。これは現代ならではのスピードであると言えるのではないでしょうか。いつかは、田舎でのんびり暮らしたいといった思いを抱いていたとしても、なかなか実行に移せる人は少ないからです。

途切れず行き来するには?

さらに、本書では紀伊半島の熊野に新しい居場所を作り上げる様子が記されていますが、東京からはとても遠い場所です。いざ作ってみたはいいが、なかなか行き来しないといったことになってしまう問題も考えられるでしょう。そのあたりについても、途切れずにどのように行き来しているかといった興味深い視点も提供されています。

    
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