沖縄を知るには

沖縄県は日本の一番南にありながらも、身近ではない人にとっては縁遠い場所です。本島から沖縄へはフェリーも出ていますが、基本的には飛行機で行くことになります。この沖縄への飛行機代は、場合によっては海外旅行より高くついてしまうこともあります。


沖縄の入門編

そのような沖縄を改めて知り、入門するための必読書と言えるものが岸政彦による『はじめての沖縄』(新曜社)です。著者は『断片的なものの社会学』において、社会の片隅に存在するトピックに光を当てて話題となった人物です。それは単に多数派に対する少数派、マイノリティの立場を礼賛するのではなく、常にフラットな立場で社会を捉えていこうとするものです。誰もが実践できるけれど、なかなか実行へ移せない姿勢だとも言えるでしょう。

過去の反省

本書で著者は、20代の時にはじめて沖縄を訪れ、沖縄にハマった体験を記します。それは沖縄病とも呼ばれるようです。しかしながら、その実態は自分の中の勝手な沖縄像を押し付けているだけだったと反省します。これは沖縄に限らずエキゾチシズムが生起する場所にはどこにでも起こりうる問題でしょう。なによりも大切なのは、今そこに起こっていることを把握する謙虚な姿勢ではないでしょうか。その姿勢を崩さなければ自ずと沖縄への向き合い方も見えてくるでしょう。

基本情報を網羅している

本書でははじめて沖縄に行く人のための基本情報が網羅されています。沖縄の歴史や文化はもちろんのこと、言葉や食生活など日本と一緒のようで異なる世界について丁寧に記しています。研究者として辞典に載っている確かな事実を記すとともに、著者の個人的な言葉も記されています。それは著者が沖縄をたびたび訪れる中で知り合っていった人々から見聞きしたものも含まれています。著者の沖縄の向き合い方は、これから沖縄を訪れる人にとっても役立つことは確かでしょう。

    
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