中国のリアルを知る

中国にはどういったイメージがあるでしょうか。現在の中国は安いが粗悪な製品を作る場所といった旧来のイメージから離れ、経済成長を続けています。日本へやってくる中国人観光客の「爆買い」などはあまりいいイメージがないでしょう。ですが、それは中国の一面しか見ていないともいえます。


中国のリアルを知る

山田泰司『3億人の中国農民工:食いつめものブルース』(日経BP社)では、中国に長く住む日本人の著者が見た中国の民衆の姿が描かれています。著者が追いかけるのは農民工と呼ばれる都市部に住んでいない人たちです。彼らは田舎から仕事を求めて都市部にやってきて、飲食店経営や、清掃業といった都市の下層インフラを支える仕事につきます。そこはがんばった分だけお金を稼ぐことができる場所でしたが、急激な物価上昇により家賃が上昇し、仕入れた商品の値段もはねあがり、まともな商売が成り立たなくなってゆきます。逆説的ですが、中国経済が豊かになってしまったがゆえに、学歴や職歴のない貧しい彼らが取り残されてしまったのです。

地下に住む?

例えば本書で紹介されているトピックのひとつとして興味深いものは、北京に住む人たちにおいて農民工は地下に住んでいるという話があります。もともとは冷戦時代にソ連からの核攻撃などに備えて作られたシェルターがあり、現在は居住が認められていませんが、又貸しなどにより住んでいる人たちがいるそうです。地下には窓もないため、彼らが侮蔑的に「ドブネズミ」と呼ばれているといった話などリアリティがあります。それでも、現在の経済発展を続ける中国の表舞台ではこうしたトピックは語られません。中国のダークサイドがそこにはあるのです。

    
コメント