2012年8月 -チャイナリスクが再び問題になった瞬間-

今回の尖閣問題に端を発した中国での暴動やストライキ。ビジネスの世界では今まで散々言われてきた「チャイナリスク」が再び問題になった瞬間であります。リスクというのはあらゆる国に存在しますが、中国は他国とは異なった理由でリスクがあるということで付けられた名称です。今回の暴動で被害を被ったのは日本だけでなく他の企業も遭っており、多くの企業は中国に多大な潜在能力があることを期待しながらも、中国内にいることで受ける不自由さや自分たちの常識が通用しないこと感じています。そこで、今回の暴動とチャイナリスクについて解説していきます。


■チャイナリスクが再び発現した瞬間

日本が中国に進出するとなると現地の市場を開拓したり、工場を作ることが主。特に中国の労働力が安価なことから工場を建設し、現地で生産するというものが盛んでした。日本人の人件費が高いから中国で作れば安くつく的な発想だけで中国に進出していた企業はないはずで、チャイナリスクは想定内のはず。ですが、これほどの数の民衆が一気に暴徒化するのは想定外だったと思います。店舗や工場は大変な目にあったことでしょう。また、普段から抱えるリスクとしては賃上げが無いからストライキや従業員が一斉に辞めるというのもあり、それを管理したり鎮圧するためにかかるコストが馬鹿にならないと考えられます。

セキュリティー問題も大変で前職場のデータや顧客情報を次の職場に持ち込むこともあるとのこと。日本や欧米では考えられないことがまかり通っている現状からチャイナリスクは未だに大きな問題として残っています。これを解決するには一般的に教育と言われていますが、13億人に行き渡らせるにはそれなりの時間がかかります。海外に留学し教育されている若者や事態を冷静に見ている人は今回の暴動を客観的に見れているようですが、まだまだマイノリティ。NHKの発表では人口の5%が関わっているとのことですが、それでも6000万人前後。イギリスやフランスの人口とほぼ同じです。

冷静に考えてみれば13億人いれば13億通りの考え方があり、それを一つの方向に向かって考え方を教育していくのは無理な話。中国共産党も天安門事件からやっとのことでまとめた国内も暴動が日常化し、せっかく築いてきた信用も損なわれてしまいました。いやはや、国民を統制するのは大変なことであります。

今回の暴動では中国人自体も被害を被り、最早何のための暴動であるか分からなくなっています。勤勉で優秀な労働者が多い中国にとっては非常に勿体無いです。取り敢えずのところ、6000万人の暴徒が冷静になることを願うとともに、日本は今回の暴動で得られるであろう外交カードを嬉しく思うべきなのでしょうね。

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