選挙で注目! 2つの「経済格差」解消策

選挙のたびに争点になる「経済格差」の是正。いわゆる「アベノミクス」によって、さらに貧富の差が広まったのではないかとする意見があります。フランスの経済学者トマ・ピケティは著書『21世紀の資本』の中で、高所得国家による経済格差を問題にしました。アメリカで議論を呼んだこの本ですが、先日ついに邦訳版が発売されました。

このように世界各国で議論の中心となる「経済格差」ですが、格差の解消に対して有効な手段はないのでしょうか? 著書に『リスクを取らないリスク』を持ち、ヘッジファンド運用に携わる堀古英司氏は、経済格差の問題について次のように述べます。


◆経済成長と経済格差は、コインの表と裏

経済成長・格差を語るときに重要なポイントは「ハイテク革命」と「グローバル化」の2つ。冷戦終結により起きた「グローバル化」と、軍事技術が民間に流れたことで起きた「ハイテク革命」のことです。1980年代以降の2つの革新によって、人々は質の面ではコンピューターと、価格の面では旧社会主義国から供給される安い労働力と競争せざるを得なくなりました。この競争に勝ったものが富を獲得し、負けたものは財を失っていったことで、格差が生み出されたのです。

ハイテク革命とグローバル化の二輪は、今でも新陳代謝を繰り返しています。競争によって格差が生まれることに加え、技術革新によって得られた利益の多くは労働者ではなく、革新を起こした企業家や資本家に流れました。これによりさらに格差が大きくなってきました。つまり、経済成長の要因とされる2つの革新が、実は経済格差を生み出していたのです。

◆格差解消に有効な2つの手段

このように「ハイテク革命」と「グローバル化」によって生まれた経済格差は、今後も続いていくと予想されています。では、いったい格差解消にはどのような政策が有効なのでしょうか?

まずは、移民の受け入れです。世界の労働市場において、直近では徐々に高等教育以上の労働力が増えてきています。つまり、高度な技術を持った付加価値の高い労働力が増えています。旧社会主義国などではそれらの賃金は比較的安いままです。相対的に不足している労働力を輸入できれば、賃金の上昇圧力の緩和や、新規ビジネスの拡大も見込まれます。

しかし、まだ日本では移民の受け入れに慎重な姿勢がとられています。そこで次にあげる有効な手段は、教育や職業訓練の充実です。高校の義務教育化や英語教育の充実、専門的なビジネス訓練によって、高度な技術や付加価値を持った労働力を育成するのです。
どちらの手段も、高い付加価値を持った労働力を呼び込み、上を落とす格差の解消形態ではなく、下から突き上げる格差の解消形態を目指すのです。

経済格差は経済成長の裏面です。リスクを負って「付加価値」を持つことで、格差から成長へ転換できるかもしれないのです。

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