世論調査より圧倒的に正しい「一般意志2.0」

アメリカもお隣の中国も韓国も、そして我が国日本もそろそろ選挙シーズン。今回も民主的に選ばれることでしょう。ところで、民主主義と言われると浮かんでくるのは「議論」と「多数決」。私たちは何かと議論し尽くしたほうが良い結果になると考えがちではないでしょうか。ですが、現状を見ていると上手く機能しているようには思えません。今回紹介する『一般意志2.0』では副題としてついているルソー/フロイト/グーグルが重要な鍵になると語っています。以下はルソー/フロイト/グーグルから得られる重要なアイデアを解説していきます。


1. ルソー

ルソーに関して大事なアイデアは著書『社会契約論』で記した「一般意志」という概念です。ここで大事なのは「世論≠一般意志」ということ。一般意志とは「個人の集合体の意志」のこと。この説明だけだと世論と一緒。一般意志とはベクトルのようなもので、個人の意志のプラスとマイナスを取り除いた差異の和です。この一般意志は、ある方向への向きと力が可視化され、1点に集約されます。

2. フロイト

しかし、そもそも「個人の意志」とは何なのでしょうか。そこで、『一般意志2.0』ではフロイトが登場します。無意識についての研究をしていたフロイトは「無意識こそ真の欲望」という結論に達しました。そこで本書では「無意識に思っていることが真の欲望なら、それを集めたたら一般意志になるじゃん」ということでフロイトのアイデアを取り入れています。

3. グーグル

つい最近まで個人の意志は宙を漂うだけで、集めることができませんでした。しかし、テクノロジーが発達した結果、個人の意志を集めることが出来るようになったのです。言論の統制されていない日本では、ネット上で好きなことを好き勝手に言うことができます。この「好きな事を好き勝手に言ったこと」がグーグルのデータベースとして蓄積され、一般意志が形成されます。そこには、数学的に弾かれた国民がすべきと思っている点「一般意志2.0」が示されます。

一般意志2.0の使い道

しかし、ここで重要になってくるのはこの「一般意志2.0」を専門家が熟議する際、彼らから見えるところに置いておくということです。彼らが一般意志2.0を取り入れるか否かは別の話。一般意志2.0は一般国民の政策に対する感想をフィードバックする集団に過ぎないのです。

人間の「理性的行動」のコストを正しく見積もり、責任ある「大人の」政治参加への期待は棄て、かつての熟議の場で排除されていた「欲望」を利用しつつ制御すること、この「ゆるい」政治参加がこれから重要になってくるかもしれないというお話でした。

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