選挙の夏到来! 笑えて、恐怖におののける観察映画「選挙」を観るなら、今しかない!

夏の参議院選挙が、もうすぐそこに迫っています。読者の皆さんは、投票に足を運ばれる予定でしょうか? 「いやぁ〜、私は全然政治に関心がないんで、投票なんて行きませんよ」という方も少なくないような気がします。

そこで、今回は選挙にまつわる日本最高峰のドキュメンタリー映画、その名もズバリ「選挙」という作品を皆さんに紹介致します。海外の映画祭にて、数々の賞を受賞したこの作品を見ると、選挙に関心を持たずにはいられないでしょう。

ご一読くださった後、ご自分の目で映画「選挙」をご覧になり、政治に興味を持ち、この夏の選挙に足を運んでみてはいかがですか? きっと政治の見方、選挙の見方がガラリと変わるはずです。


その滑稽さに爆笑できる映画!

前段にて、「日本最高峰のドキュメンタリー映画」と評しましたが、この映画「選挙」の監督、想田和弘氏は観察映画と自ら呼んでらっしゃいます。ナレーションや音楽は作中に使われず、出演者にモザイクもかけません。また、台本は用意せず、被写体をただただ観察してゆく映画です。

映画「選挙」の舞台は2005年。政治について素人同然の男性が、ひょんなことから神奈川県川崎市の市議会補欠選挙に出馬するところから始まります。

「一般人の男性が選挙に出馬する姿を、ただただ観察するだけの映画」と聞くと、「どうせつまらない、お堅い映画なんでしょうよ」と察する方もいるでしょう。敢えて、断言させていただくと、その予想は外れています! 「ドキュメンタリー映画を見ていて、こんなに笑ったのは初めて! 」と筆者は思い、興奮しました。

主人公の男性は、選挙に必要な「地盤」も「お金」も「人気」もまったくありません。彼は、選挙活動中、とにかくどんなものにでもお辞儀をし、自分の名前を伝える“電柱にもお辞儀作戦”を実施します。朝の駅前では、通勤中の人々に名前を連呼し、幼稚園の運動会に参加しては、園児相手に我が名前を連呼し、地元のお祭りにスーツ姿で参加し、ふんどし姿のおじさん方に混じり、ひとりスーツで神輿を担ぎます。

その姿は、まさしく滑稽そのものもです。その滑稽さをカメラは、余すところなく観察し、捉えています。上映中、筆者は彼の姿に何度爆笑したことでしょう。

被写体の痛々しいとも言える笑える姿をここまで見せてくれるドキュメンタリー映画は、初めての体験でした。読者の皆さんも、この映画を見て、とにかくまずは、笑ってほしいのです。

爆笑の後、おとずれる恐怖とは? 

観察映画「選挙」の最大の魅力は、「え? これが日本の選挙の現実なの? マジですか?」と愕然とできることです。120分の本編には、先ほど述べたような笑えるシーンが数多く、さまざまな場面に散りばめられています。

「あー、こんなおもしろい映画、見たことないな!」と思いながら、映画を楽しみ大笑いした後、日本の選挙が笑えない状況で繰り広げられているという現実に気づきます。

ただただ名前を連呼するだけの遊説活動や、政策を知らないままに投票してしまう有権者の姿を目の当たりにしたことに、はたと気づき、「今まで見てた映像は、フィクションじゃないんだものね」と鳥肌が立つのです。

その驚きは、決して選挙制度に対して感じるものではありません。自身の選挙への向き合い方を顧みて、反省せずにはいられなくなるのです。この映画は、日本の選挙の問題点を突きつけてくれるだけでなく、観客らの問題点をも提起してくれる作品ということです。

そして、7月6日より続編「選挙2」が公開される予定です。再び、「選挙」をテーマに国民が知らない現実を目撃できるというわけです。続編を観る前に、是非とも前作をチェックし、選挙が待ち受ける7月を過ごしてみてはいかがでしょうか? 笑いながらも、恐怖におののける、まるでホラーコメディのような作品は、チェック必須の作品と言えるでしょう。

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