映画の語りを知る

映画とはどのようなものでしょうか。観ていて楽しい映画、泣ける映画、ワクワクする映画、そうした初発的な印象も確かに大切ですが、映画の深い語りに触れる楽しみもあるのではないでしょうか。


映画の深みを知る

そのような映画の奥深さを知ることができる著作が石岡良治、三浦哲哉のほか複数の映画研究者の座談会である『オーバー・ザ・シネマ 映画「超」討議』(フィルムアート社)です。本書で目指しているものは、映画論の拡張です。これまでの批評ばかりではない、新しい映画の見方というのはどのようなものか、その方法について記されています。

理論と具体的な応用

本書で紹介されているのは、いわゆる映画の教科書のようなものではありません。具体的な作品を挙げ、それをもとにどう見ていけばいいのかを問いかけています。映画を見るとはどういうことか、そもそも映画とは何なのか、映画を語るとは何か、といった根本的な部分についても言及されています。そのため、まず映画をはじめて見るという人にとってもおすすめですし、ある程度映画を見慣れていると自負する人にとっても目からウロコの本になることは間違いないでしょう。なによりも本書には複数の研究者が参加し、意見を戦わせています。ある一人の映画批評家による独善的な意見のようなものは排除されているわけですから、非常にフラットな本であるともいえるでしょう。

    
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