「天使の涙」と「恋する惑星」

「天使の涙」という映画があります。1995年に公開された香港の映画です。監督を務めるウォン・カーウァイは、香港映画の鬼才として知られています。これまでの派手なアクションシーンなどが取り入れられたベタな香港映画ではない、映像美にあふれた映画を多く撮っています。それは「映画ではなくただのミュージックビデオだ」といった古典的な評論家からの批判もありましたが、その圧倒的な映像美が若者の足を映画館に運ばせたことは確かでしょう。


「恋する惑星」の兄弟作品

ウォン・カーウァイの名前を一躍有名にしたのが1994年に作られた「恋する惑星」でしょう。香港の街角を舞台に、2組の男女の恋愛模様を描いたものです。台湾生まれの日本人俳優である金城武が出演したことでも話題となりました。「天使の涙」が公開されるのは翌1995年になりますが、もともとは、この作品が「恋する惑星」の一エピソードとして構想されていたようです。実際、2つの作品には多くの共通項があります。登場人物がどこかエキセントリックであったり、おまじないを信じていたり(これは香港をはじめ中国文化圏では普通にあることでもあります)といったものです。

「恋する惑星」の原点

いわば「天使の涙」は「恋する惑星」の原点といえる作品かもしれません。この映画の特徴は音楽の妙です。途中で挿入される齊秦『思慕的人』なども味わい深いです。夏の夜にゆっくりと眺めたい映画作品のひとつです。

「春の名作映画『四月物語』とは?」の詳細を調べる

    
コメント