六本木ヒルズの前は何が?

六本木ヒルズができあがる前、同じ場所には何が存在していたのでしょうか? そこには、WAVEというレコードショップが存在していました。WAVEは西武百貨店を中核とするセゾングループの一企業であり、CDショップを展開していました。その本店が六本木に存在していたのです。


WAVEの何が新しかったのか?

WAVEの何が新しかったかといえば、まずビル全体がレコードショップであったことでしょう。フロアごとに、邦楽や洋楽、あるいはサウンドトラックといったものが網羅的に売られていたのです。それは、タワーレコードや、HMVならば当たり前にあるものかもしれませんが、これからは外資系のレコードショップです。日本企業でこのようなスタイルで音楽販売を展開するところは新しかったといえるでしょう。

なんでもある

さらにWAVEは売れるレコードばかりをあつかっていたわけではありません。民族音楽や電子音楽といった、マイナーな音楽、マニアックな音楽も平等に扱っていました。それは、マニアックなしなぞろえを誇るようなセレクトショップの発想とも違います。売れるレコードも、売れないレコードも、文化の産物、情報の産物として平等に取り扱うということが行われていたのです。

ないものはない?

宮沢章夫による「東京大学80年代地下文化論講義決定版」には、WAVEにまつわる思い出が語られています。当時、演劇の舞台で、マニアックなサントラのCDを使おうということになりました。ですがアマゾンなどがない時代、どうすれば探し出せるかということになって、WAVEの倉庫を探しまわったらなんと存在していたそうです。まさにないものはないというような網羅的な品ぞろえであったといえるでしょう。文化のにおいのあったWAVEが閉店し、その跡地に文化の色のないフラットな六本木ヒルズができあがるのは世代交代としてはなんとも象徴的です。

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