春休みがフィッシュマンズを考えている

1999年の3月15日に、一人のミュージシャンがこの世を去りました。わずか33歳で亡くなってしまったのはフィッシュマンズの佐藤伸治です。彼は、彼しか作れない音楽を生み出し、多くのファンを魅了しました。それは音楽を専門とするライターたちも同様です。


何を語ったか

川崎大助による『フィッシュマンズ:彼と魚のブルーズ』(河出書房新社)は、雑誌『米国音楽』において、デビューからその死まで佐藤伸治とフィッシュマンズの音楽に向き合ってきた著者による本です。フィッシュマンズの活躍した時期は、音楽CDがもっとも売れていた90年代末の、音楽産業のバブル期とも重なっています。その泡のような日々が、現在の視点から振り返られています。

意外な事実も

本書には意外な事実も記されています。例えば名作と名高い彼らのライブリミックスアルバム『8月の現状』は、もともとライブの音源そのもので発表することができないほど演奏がうまくなかったためリミックスを加えたという経緯などが記されています。さらに、アメリカのレーベルであるマタドールから海外デビューの話が来ており、その前に現地の日本人から連絡が来てしまったことなど、音楽業界のめんどうくさい事情についても記されています。良いところばかりではなく悪いところも記しているため、非常にフェアな本だと言えるでしょう。

    
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