大森靖子のルーツをめぐる

大森靖子というミュージシャンがいます。フェスでファンとキスをしたり、あるいはちょっと心を病んだ人といった表面的なイメージを持たれがちです。彼女自身はそれを『テレビブロス』(東京ニュース通信社)のコラムにおいて「なんでもメンヘルの4文字に押し込めるな」といった怒りを示してします。このように、強い感情に突き動かされているのが彼女だといえます。そうでなければミュージシャンをやらないし、表現を志すこともないでしょう。


田舎から都会へ

『かけがえのないマグマ:大森靖子激白』(毎日新聞出版)は、彼女の語りを一人称で記しています。そして大森靖子の詩で構成されます。一人称の語りはどこかナルシスティックな方向へよりがちなのですが、彼女の場合は、共感できるところもあるのではないでしょうか。まわりに何もない田舎で、学校にも友人がおらず、もんもんと過ごしていた青春期が記されています。いまの子どもはネットがあるから幸せ、スマホがあるから幸せ、そんなことはありません。しっかりと悩んでいたのです。

東京へ来ても何もない

さらに彼女は東京の美大へ進学しますが、そこでもまわりの人間となじめません。都会へ来ればなんとかなると思っていたらさらに次の壁が待っていたのです。正直な気持ちを吐露した本だといえるでしょう。

    
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