ハガキ職人インタビュー集を読む

近頃、ハガキ職人をテーマとする本が多く出版されています。ハガキ職人とは、ラジオや雑誌にハガキ、いわゆるお便りを数多く投稿し、リスナーや読者から広く知られている常連投稿者を指す言葉です。


どんな本が出ている?

2017年2月に出版されたツチヤタカユキの『笑いのカイブツ』(文藝春秋)は、『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で知られた伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキによる私小説です。また、せきしろによる『せきしろの1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』(双葉社)も、小説という形をとっていますが、そのモデルとなるパーソナリティーは伊集院光です。ハガキ職人は匿名的な存在であり、プロの放送作家として活躍する人がいる一方で、無名のまま消えていく人もいます。最近ではハガキ職人の名前でSNSをやる人もいますが、一方でそこでも姿を現さない人たちもいます。

ハガキ職人の実態に迫る?

そんな謎に包まれたハガキ職人の実態をとりあげた本が、村上謙三久による『深夜のラジオっ子 :リスナー・ハガキ職人・構成作家』(筑摩書房)です。本書は、現在はプロの構成作家として活躍する元ハガキ職人を中心にとりあげた本です。彼らの来歴をともなうインタビューから、『伊集院光の深夜の馬鹿力』、『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』、小堺一機と関根勤による『コサキン』など数々の名物番組の歴史を浮き彫りにしたものです。90年代のテレビバラエティ番組は現在でも熱心に語られる、振り返られることが多いですが、一方で深夜ラジオは知る人ぞ知る存在にとどまっています。本書はその知られざる分野に光を当てたユニークなメディア史だといえるでしょう。

    
コメント