お笑いの歴史を知る

お笑い芸人の歴史というのは、とても広いものだと言えるでしょう。テレビに出ている人ばかりに注目していると総体をとらえにくいですし、一方で、劇場にしか出ていないようなマイナーな芸人も、突き詰めればとことんマニアックなものとなってしまいます。

時代を切り取る

そうしたお笑い芸人の歴史をとらえるにあたって、ある時代を切り取った貴重な本が『お笑いタレント事典:若手大集合』(キネマ旬報社 )です。本書が刊行されたのは1996年10月です。このシーズンというのは、90年代後半に一世を風靡した『ボキャブラ天国』シリーズ(フジテレビ系)が、若手芸人オンリーのコーナーへとリニューアルし、爆発的なブームへとつながるころです。そうした、お笑いブームの直前の空気が本書には詰まっています。

プロフィールまとめ

本書に収録されたのは若手芸人が所属する事務所別にプロフィール、宣材写真をまとめたものです。いわばお金をかけていない本と言えますが、事務所のプロフィールを一般人が着やすく入手できる手段もなく、ホームページもありませんから、若手芸人の姿が一覧で眺められるのはある意味では貴重だと言えるでしょう。ある時期のトピックをあるテーマにおいてまとめれば、のちのち考えて見るならば貴重な資料となる好例というべき本だと言えるでしょう。その点においてネット文化はあとまで残らないことにデメリットはありそうです。