有吉くんが正直にさんぽする番組は、密やかに「バラエティのルール」をぶっ壊している!

今や、民放からNHKまで、お昼から深夜まで「全局全時間帯の顔」に成り上がった芸人・有吉弘行さん。読者のみなさんにも、どうしても毎週見ちゃうんだよなぁ、という有吉さんの番組がひとつはあるのではないでしょうか。

なんと! テレビ・ラジオのレギュラー数は10本以上。その数多きレギュラー番組のなかでも、ご紹介したいのが、土曜日お昼にフジテレビで放送中の「有吉くんの正直さんぽ」です。生野陽子アナウンサーと共に、番組タイトル通りお散歩する番組。土曜のお昼に何も見るものがない時に、まさに散歩する感じでフラッとチャンネルを合わせてしまい、そして、居心地の良い喫茶店のように、つい長居してしまう、そんな番組です。今回は、「正直さんぽ」の魅力をご紹介します。


親戚の子供・有吉くん

「有吉くんの正直さんぽ」の魅力として、まず挙げなければならないのは、ゲストで遊ぶ有吉さんの姿でしょう。特に、有吉さんの遊びが絶頂に達するのがデヴィ夫人・IKKOさんです。有吉さんの「遊び方」は、よく芸人さんがやっているのを見る「イジる」ってのとは少し違うように思います。

「親戚のおばちゃんをバカにする感じ」とでも言えば良いのでしょうか。あ、ここで、申しておきたいのは、決してそのゲストを「バカにする」姿に悪意を感じられないということです。これって、凄いです。これは、言うまでもないですが、有吉さんは「毒舌キャラ」で二度目の一世風靡を果たした芸人さんです。しかしながら、この毒と毒の間、この番組に即して言うと、ゲストをバカにする姿と姿の間に、なんとも言えぬ笑顔が見えるのです。

この笑顔にあくどさを感じることはなく、ただただ「親戚の子供」感しか漂っていません。盆・暮れ・正月に、田舎の家に集合した親戚一同。久々に会う従兄同士(だいたい小学生ぐらい)は、テンションが上がりまくり、晩ご飯を支度している親戚のおばちゃん(かなりの肥満体)を「ビール樽だ!! 樽だ! 樽ババアだぁ!」と完全にバカにします。そのとき子供が見せる楽しそうな笑顔そっくりなのです。この有吉さんのゲスト(特にデヴィ夫人・IKKOさん)に対しての遊びはずっと見ていたいと思えるほどです。

タレントがまったく別の顔を見せる番組

次に挙げておきたい番組の魅力は、バラエティ番組のルールを覆してくれる点でしょう。先日放送された「正直さんぽ」では、ゲストの眞鍋かをりさんらと共にスラックラインに紹介するシーンがありました。ベルトの上を綱渡りするスポーツです。

そこで有吉さんが「この前『ヒルナンデス!』(お昼の情報バラエティ番組)で、取り上げられてたよ、これ。全然、みんなできてなかったよー」と、スラックラインというスポーツの難しさを紹介します。しかしながら、その後挑戦する真鍋さん・有吉さん・生野さん全員が1度でこの綱渡りに成功してしまいます。「なんだったんだろ? 『ヒルナンデス!』は??」と、有吉さんはまたいつもの笑顔で笑っていました。

今、放送されているバラエティ番組では、今回のスラックラインのように出演者が何かに挑戦するとき、「まずは失敗」するのが常道です。というか、暗黙のルールになっているわけです。にもかかわらず、「正直さんぽ」ではまさしく「正直」にそんなルールはまったく無視です。しかも、「ヒルナンデス!」を引き合いにまで出してくるところなんて、有吉さんならではの言動です。

有吉さんは、いわゆる「ヒルナンデス!」対応(バラエティのルールに準ずること)もそつなくできます。その有吉さんが、「正直さんぽ」で身をもって「ヒルナンデス!」との違いを見せつけてくれるのは、なかなか味わい深いです。先述のスラックラインに挑戦したのは、眞鍋かをりさん。眞鍋さんもまたバラエティのプロです。普段ならば、暗黙のルールを守りながら、番組を盛り上げられる彼女が、「正直さんぽ」ではまったく別の顔を見せてくれるわけです。

普段のバラエティ番組ではなかなか見ることができない、「正直さんぽ」だからこそ見れるタレントさんの顔。「バラエティってこういうものだよね」という出演者や制作者だけでなく、視聴者までもが共有している「暗黙のルール」をぶち壊してくれるこの番組は、「バラエティのカウンターカルチャー」としてとても魅力に溢れています。

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