シンクロするタモリと戦後

2014年春、30年以上の歴史に幕をおろした『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の司会者がタモリです。生放送番組の司会者の連続記録としてギネスにも登録されています。そんなタモリの歴史は戦後日本の歴史を見事にシンクロしています。その仮説を豊富な資料によって検証したのが近藤正高による『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)です。


戦後の歴史?

タモリは昭和20年8月22日生まれです。これは、終戦から一週間後になります。さらにタモリの家族は、戦前が満州国に住んでいました。おばさんがおつげを受けて、帰国しているため、引き上げの悲惨な経験もありませんでした。フロンティアスピリッツあふれる満州の広さに、タモリのおおらかさを筆者は重ねます。しかし、それがこじつけではなく、きちっと資料に裏付けが行われています。例えばタモリの祖父は満鉄の駅長をしていました。そうしたエピソードからタモリの鉄道好きのルーツをときほぐすのです。

上京伝説を検証

さらにタモリが、早稲田大学を中退して故郷である福岡へ戻り、再び上京するまでの様子もていねいな取材を行っています。インタビューの証言がくいちがっているため、地元で親交のあった人間や、ジャズピアニストの山下洋輔らに直接取材も試みています。タモリの歴史のミッシングリンクを、きちっと取材によって埋めて、戦後史とタモリの半生をきちっと重ねた労作となっています。

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