笑いを目指す巨大な愛情

お笑い芸人や、お笑いの世界を目指す人は数多くあります。笑いを目指す人たちの動機はさまざまです。そんなお笑いに対する究極の愛情を記した本がツチヤタカユキによる「笑いのカイブツ」(文藝春秋)です。


レジェンドから業界へ

著者は、もともと伝説のハガキ職人として知られた人物です。「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送系)において高い採用率を誇り、放送作家としてスカウトされますが、人間関係の不得意さのため、挫折してしまいます。もともと彼が笑いの実力を試していた場所はNHKの「ケータイ大喜利」でした。彼は番組で取り上げられる笑いのパターンを書き出して分析することによって、いくつかのジャンルに分かれていることに気づきます。さらには1日に2000本のボケを作っていたといいますから、寝ている時間以外はすべて笑いに身をささげていたといえるかもしれません。

好きでもやれない

そんな著者は、やがて大阪の吉本興業の劇場へ作家見習いとして入ります。そこは笑いをストイックに追求する場所というよりは、人間関係ですべてが決まる世界です。彼はそこになじめず間もなく追われてしまいます。どれだけ才能があっても、その仕事、業界で生きていけるとは限らない、そんなシビアが現実が感じられる本です。

    
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