不謹慎だからこそおもしろい! 本来のテレビを作るマツコ・デラックスの魅力

テレビサイズではない人の祭典。それが、フジテレビで毎週木曜23時から放送中の「アウト・デラックス」ではないでしょうか。ナインティナインの矢部浩之と、テレビで見ない日はないコラムニスト、マツコ・デラックスが、世の中の「アウト」な人々を紹介するトークバラエティです。

この番組のプロデューサーは、フジテレビ編成制作局バラエティ制作センターの亀高美智子氏。かつて、マツコさんとは、深夜番組「マツコの部屋」でタッグを組んでらっしゃいました。亀高さんが、マツコさんを起用し、番組を見事に当てている背景には、どのようなテレビ制作への思いがあるのでしょうか? 

今回は、マツコさんが今までに語っていた「テレビ」への思いを元に、「アウト・デラックス」の魅力を紹介して参ります。テレビがつまらなくなったとお嘆きの読者の皆さんは、是非、「アウト・デラックス」をご覧になってみてはいかがでしょうか。


不謹慎な存在を目指すマツコ・デラックス

かつて、バナナマンのおふたりの深夜ラジオにゲスト出演されたマツコさんは、最近のテレビについてこう話してらっしゃいます。「テレビが始まる時間を気にして、足早に家に帰ることがなくなった」「本来、芸人さんがやるべきネタをテレビが生かしているかというと、そんなテレビは少ない」

マツコさんが、少年時代に、また若かった頃には、テレビの中にはスターがいました。そのスターは、決して社会に出て常識人を演じられる人物ではなかったのだと思います。ある意味では、社会不適合者だからこそ、テレビの中ではスターでいれたはずです。一方、現在のテレビでは、社会の規律をしっかり守る常識人こそ、良きタレントとしてテレビ局が使うため、必然的に視聴者にとっては、自らの生活の地続きの場所に芸能人がいるように感じます。

「テレビは不謹慎なもの」であればあるほど、テレビはおもしろくなり、視聴者は画面から目が離せなくなるわけです。マツコさんは、前述のラジオ番組にて「テレビに出ようと決めた時から、テレビの異物になってやろうと思ったの」とも語っています。

テレビに出ると、ものすごく疲れるのは自明の理です。それだけ体力も消耗しますし、非難も受けることになるでしょう。しかしながら、今のテレビに足りない「不謹慎なもの」になってやろうという思いを持ってして、テレビ出演を心に決めたそうです。

非常識な人が出るテレビこそ本来のテレビ

地上波での初の冠番組である「マツコの部屋」は、マツコさんの「テレビをぶっ壊してやる!」というもはやケンカ腰とも言える精神が爆発し、深夜の放送にもかかわらず、話題の番組となりました。人気の理由は、ケンカ腰の精神がタレント特有のキャラクターではなく、マツコさんの本来の姿であるとともに、その精神をおもしろおかしく表現できるマツコさんのトークの技術、センスが抜群であったところにあると思います。

この番組のプロデューサーが、「アウト×デラックス」と同じ亀高美智子さんなのです。テレビの異物になろうと心に決めたマツコさんを異物として、メイン出演者に据えて、人気番組を見事に作り上げたのです。

また、「アウト×デラックス」ではその「異物」をマツコさん以外のさまざまなタレント・大物女優・一般人にまで求め、不謹慎なまでに「おもしろがり」「バカにする」ことを見事に番組に落とし込んでいると言えるでしょう。

先日の放送では、大物作家のジェームス三木さん、矢部浩之さん、淡路恵子さん、そして、マツコさんの4人が、堂々と煙草を吸う姿が放送されていました。この時代のテレビ番組では考えられない光景です。この4人の姿を見て、筆者は作り手側のあるメッセージを感じました。

「テレビとは、本来不謹慎なもの。親が子供に「こんな大人になっちゃいけないよ」と教えながら見るのがテレビ。今のテレビには常識人しか出ていない。だからテレビがおもしろくなくなった。我々は、本来のテレビを作るよ!」

昔のテレビが好きだったマツコさん、そして、おそらく同様の思いを共有している亀高プロデューサーだからこそ、この番組は放送されているのでしょう。2013年のフジテレビ27時間テレビプロデューサーは、亀高さんです。出演者の中には、マツコさんの名前も挙がっています。今のテレビの常識にどれだけケンカを売ってくれるのでしょうか? 筆者はそこに期待しています。

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