存在感は選手をしのぐ!? フィギュアスケートの名コーチたち―日本人編―

冬季スポーツの花形、フィギュアスケート。先日行われた「ISU世界フィギュアスケート選手権」での日本人選手の活躍を、息を凝らして見守っていた人も少なくないでしょう。現在、男女ともに世界の舞台で競えるレベルの選手が多く輩出されていますが、その背景には、選手たちを育ててきた名コーチの姿があります。今回は、多くの選手を表彰台に送り出してきた3人の日本人コーチの略歴をご紹介します。


ポーカーフェイスの好々爺、佐藤信夫コーチ

スケーティング技術の指導に定評がある佐藤信夫コーチ。自身も、日本を代表する男子シングルの選手でした。1957年4月に全日本選手権で初優勝を飾ってから10連覇を成し遂げ、この記録は未だに破られていません。コーチとしては、娘の佐藤有香選手をはじめ、荒川静香選手、安藤美姫選手、村主章枝選手など、多くの日本人スケーターを指導してきた実績があります。現在は、小塚崇彦選手と浅田真央選手を主に指導。小塚選手をリンクへ送りだす際に、背中をポンポンと叩くおまじないをする姿が印象的ですね。

親子のような親密さ、山田満知子コーチ

伊藤みどり選手のコーチとして有名になった山田満知子コーチ。スケートの指導だけでなく、家庭環境に恵まれなかった伊藤選手を自宅に引き取って育てたそうです。自身は7歳でスケートを始め、インターハイ優勝、全日本選手権入賞など、主に国内で活躍した女子シングルの選手でした。現在は、村上佳菜子選手の指導を行っており、キス&クライで並んで座る2人の姿はまるで親子のような雰囲気。世界レベルの選手を指導する一方で、初心者の子どもたちを指導し、フィギュア人口の「底辺拡大」に情熱を注いでいます。

「チーム高橋」の要(かなめ)、長光 歌子コーチ

全日本のジュニア選手権女子シングルで優勝した経歴を持つ、長光歌子コーチ。長光コーチと高橋大輔選手が出会ったのは、高橋選手が中学2年生の時でした。仙台で行われた合宿で、小柄な身体ながら情熱的に滑る高橋選手の姿を見て、長光コーチは「日本を代表する選手になる」と直感。怪我や成績の伸び悩みなどをともに乗り越え、高橋選手が関西大学に進学して以降は、専任コーチとして共同生活を続けてきました。2010年のバンクーバー五輪の前年、それまで指導を仰いでいたニコライ・モロゾフコーチの元を離れた高橋選手を支えたのが、長光コーチを含む11人から成る「チーム高橋」です。海外のコーチに頼らず日本人の専門家だけで組まれたこのチームは、高橋選手が五輪で銅メダルをとった後、非常に話題を集めました。

フィギュアスケートを題材にしたノンフィクション、『氷上の光と影―知られざるフィギュアスケート』には、過去の名選手や各国間の水面下の争いなど、フュギュアスケートにまつわる様々な人間ドラマが満載です。来季の選手権大会が始まる秋までに読んでおけば、選手権大会からソチ五輪までの数ヶ月間をより楽しむことができるかもしれません。

「氷上の光と影―知られざるフィギュアスケート(田村明子)」の詳細を調べる

    
コメント