中国残留孤児と夏の記録

1990年代の初めまで、中国残留孤児の肉親探しを呼びかけるテレビ放送が行われていました。毎年夏休みのシーズンになるとNHK教育テレビで、残留孤児のプロフィールが流されていたのです。


わずかな記録を頼りに

ふだんは、子供向けの番組を流しているNHK教育テレビは、そのシーズンだけは、残留孤児の写真、名前、育った場所、覚えている日本語といったトピックをNHKのアナウンサーが読み上げます。

教育テレビの放送を楽しみにしていたのに、たいくつな映像が流れているなと子どもながらに思ったものですが、日本のどこかでは生き別れた子どもをさがすため、あの映像を食い入るように見ていた人もいたのでしょう。

日本語と中国語

残留孤児たちは、幼少期に中国で育ったので当然日本語は話せません。日本語と中国語は漢字を使うので似た言葉に思われるかもしれませんが、言語学的にはまったく別の言語です。

つまり残留孤児たちは、新たに日本語を学び直すには大変な苦労を強いられることになります。実際に、帰国が実現しても言葉の問題が立ちはだかりました。中国と日本、2つの祖国に裏切られた、という声もあります。

ドラマにも

中国残留孤児の姿を描いた作品として山崎豊子の「大地の子」があります。NHKでドラマ化され、新人俳優であった上川隆也が、全編中国語のセリフで名演を果たしました。中国残留孤児として生まれ育った青年が、日本へ戻った父親との再会、同じく残留孤児で生き割れた妹との死別などが描かれています。

    
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