NHKっぽくないドキュメンタリー番組「ドキュメント72時間」の魅力とは?

今、人気の朝ドラ「あまちゃん」。みなさん、ご覧になっているでしょうか? 過去の朝ドラと比べても、NHKっぽくないそのストーリーに惹かれ、「初めて朝ドラを毎回見ているよ!」という方もいらっしゃると思います。

最近のNHKは、NHKっぽくない番組をたくさん放送しています。「クソまじめ」「じいさん・ばあさん向け」「毒にも薬にもならない」という従来のイメージを覆すような番組は、非常におもしろく、視聴者の視線を集めています。

今回は、そんなNHKの番組の中でも、特に良質な番組「ドキュメント72時間」の魅力に迫ります。NHKとは思えない内容を実に淡々と放送しているこの番組、いったいどんな内容なのでしょうか? その内容と魅力を紹介致します。


「笑い」を入れこむドキュメンタリー

タイトルの「ドキュメント72時間」が示すように、この番組のコンセプトは、3日間さまざまなものに密着することです。3日間、同じ場所や人を追うことで、点が見え、さらに点が見え、その点と点が結びつき、線になります。そこに新たな点が見えることで、線が立体にだんだん見えてきます。

なんでもない場所でも、72時間密着していると、徐々にストーリーが見えてくるのが、この番組の魅力と言えるでしょう。筆者が特にそのストーリーに心動かされたのは、「横須賀基地お見合い大作戦」の回です。女性との出会いがない海上自衛隊の男性たちが、お見合いパーティを開催します。お見合いパーティにかける思いや、意中の女性との恋の行方を映像で見せてくれました。

この回の最大の魅力は、「笑えること」と言って良いでしょう。普段は海の上で生活をしている海上自衛隊のみなさんは、女性と触れ合う機会がありません。そのため、彼らは極度の緊張を見せます。また、隊長と隊員が同じ女性を取り合い、結果ふたりとも結果が実らなかったり。その姿を実にチャーミングに、おもしろく見せ、「笑い」に昇華していたのは、NHKではなかなか見ることができないストーリーテリングだと言えるでしょう。

「笑い」ながら「知れる」番組

しかしながら、この番組は「笑い」だけでは終わらないのです。わずか30分弱の番組で、海上自衛隊の職務の尊さをしっかりと描き、単に「笑い」だけに着地させていないのです。番組内で、お見合いパーティに参加するのが7度目だという自衛官の方が登場します。

この方が、今回のパーティに参加する意気込みを自分の部屋で語るのですが、その部屋にはさまざまな表彰状が飾られていました。それらは、東日本大震災で被害を負った福島原発に入り、事故の後処理をしたことを称えられ、表彰されたものでした。国を守るために、命がけで仕事をしている彼の姿を見ると、筆者は涙ながらに「7度目のお見合いパーティは、絶対に成功してちょーだい!」と応援せずにはいられませんでした。

この回は、「笑い」というアプローチで、海上自衛隊の素顔と日々の仕事を、わずか30分弱の時間におもしろく、感動的に表現されていました。NHKのドキュメンタリー番組では、非常に珍しい「笑い」からアプローチをかけるその内容は、テレビとして楽しみながら、知らない世界を学べる、実に良質なものだと言えるでしょう。

その他にも、「ネット生中継な人たち」「京都縁切り神社」「ファミレス人生劇場」など、我々に身近なものから、普段あまり足を運ばない場所まで、この番組は72時間密着をしています。毎回、「ど直球のドキュメンタリー」として制作されることはなく、必ず「笑い」や「ユーモア」を交えて、その世界に生きる人々のストーリーを我々に教えてくれます。

今までのNHKではあまり見られなかったアプローチで、知らない世界を教えてくれるこの番組「ドキュメント72時間」は、楽しみながら、学べる番組です。「ドキュメンタリー」と聞いて、苦手意識を持っている方にこそ、ご覧頂きたい名番組と言えるでしょう。

    
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