タイトルだけは知っているTBSドラマ「ぴんとこな」の魅力と課題点

TBSでアイドルドラマが始まりました。Kis-My-Ft2の玉森裕太くん・NYCの中山優馬くん出演の「ぴんとこな」です。「え? 『ぴんとこな』? 全然、ぴんとこないんですけど」というオヤジギャグを飛ばしてしまった方もいるんではないでしょうか?

初回の2時間9分スペシャルは、正直なかなかの長さで、見ていて辛いシーンもないわけではありませんでした。回想シーンが多すぎる点・玉森くんと中山くんおふたりの歌舞伎演技などが気になって、「絶品!」と手放しで思えるドラマとは言えませんでした。

しかしながら、玉森くん・中山くんの魅力、脇役のベテラン勢の輝きは「ぴんとこな」の見所と言えることは確かな事実です! そこで、今回はこのアイドルドラマ「ぴんとこな」の楽しみ方をご紹介します。


玉森&中山の魅力、そして、ベテラン勢の役者力

まずは、なんと言っても主役の玉森くん、そして、ライバル役の中山くんの魅力を挙げないと話になりません。確かに、第1話を見る前は「あぁ、このふたりのドラマじゃ、20代後半の男である僕は対象外のドラマだなぁ」と思っていました。しかしながら、このふたりのキャスティングが良いんです。

歌舞伎界きっての良家の御曹司役を演じる玉森くん。そして、歌舞伎界とは関係のない一般の血筋ながら、努力だけで勝ち上がって来た若手歌舞伎役者を演じる中山くん。彼らふたりの顔が良すぎます。と言っても、単に男前だから良いと言っているのではありません。主役の玉森くんは、「小生意気でろくに稽古もしないバカ御曹司」の顔になっています。一方、中山くんは、不屈の精神で、野心を腹に抱きながら這い上がる雑草のような力強さと冷徹さを、見事に表していると思います。

冒頭で申したように、このドラマは回想シーンが「これでもか!」というほど数多く、見てても「もういいよ!」とツッコミを入れたくなる作品です。この脚本の問題点がストーリーへ集中できない原因だと思います。しかし、フェアに言って、このメインキャストのふたりのお芝居は「素晴らしい!」と評価されるべき点ではないでしょうか?

とはいうものの、20代以上の男性は何を目当てにこのドラマを楽しんだら良いのか、わからないことでしょう。そんな方には、是非、脇役の濃い〜面々を楽しんでいただければと思います。玉森くん・中山くん両氏の顔は、非常に端正で、アクの強さはありません。男性視聴者からしたら、物足りなく感じるのもわかります。

そこで、注目すべきは、岸谷五朗の歌舞伎演技・山本耕史のコメディ演技・高嶋政伸の重鎮演技・榎木孝明の意味深演技・江波杏子の顔と声。これら、大ベテラン俳優&女優の一挙手一投足が、(若いふたりのそれと比べて)非常に見物なのです! 「若いイケメンにはできない芝居でも、ベテラン勢には余裕でできる」という役者力の差を見ることができます。

若手俳優の出番の隙に、ちょろちょろっと登場するベテラン勢の活躍は見るだけで、ムフフと口角が上がること間違いありません!

アイドルファン以外も取り込める作品に

この「ぴんとこな」は、貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)というジャンルの話です。簡単に言うと、名家に生まれた息子が一度挫折を味わった後、そこから這い上がり成功する物語ということです。

現実の歌舞伎界でもこの貴種流離譚の世界で生きる人がいます。市川海老蔵さんです。まさしく、リアルに起きているかもしれない出来事がこのドラマのなかで展開しているわけです。主役の玉森くん演じる御曹司・恭之助が、歌舞伎の稽古をほっぽり出して、女友達と遊びに出かけるシーンがありました。もしかすると、海老蔵さんもそういう時代があったかもしれません。海老蔵さんなら一般人では考えられない遊びをしていたことでしょう。しかしながら、劇中で恭之助が遊びに出かけたのは、なんと、プール!! 「プールかよ!!」と思わずテレビに突っ込んでしまいました。

せっかく、歌舞伎界の貴種流離譚を描くのであれば、現実に海老蔵さんがやっていそうな遊びや、その他の生活をできるだけ忠実に描いてほしいです。「アイドルドラマ」という側面があるので、その辺りの規制が厳しいのも理解はできます。しかし、もうちょっと「アイドルドラマらしからぬ」ドラマを見せなければ、アイドルファン以外の視聴者を取り込むことはできないのではないでしょうか?

「ぴんとこな」の魅力と課題を僭越ながら紹介して参りました。しかしながら、まだドラマは始まったばかりです。第1話を見逃した方も心配ございません。このドラマはやたらと回想シーンが出てきます。1回ぐらい見逃しても、回想シーンでストーリーは補完することができますので。是非とも、玉森くん&中山くんファン以外の皆さん、そして、このドラマの魅力に「ぴんとこな」い方々も一度ぐらいはご覧になってはいかがでしょうか?

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