池井戸潤小説ドラマ「半沢直樹」と「七つの会議」を比べてみました。

絶好調と言えば、TBS日曜ドラマ「半沢直樹」です! 平均視聴率は、第1話19.4%、第2話21.8%。そして、「半沢直樹」原作小説を書いた池井戸潤の作品が、NHKにて放送スタートしました。東山紀之主演の「七つの会議」です。

今回は、池井戸潤小説を原作とするこのふたつのドラマ「半沢直樹」と「七つの会議」を比較! 堺雅人か、東山紀之か、どちらに軍配があがるかを比較するのは、野暮かもしれませんが、ふたつのドラマの決定的な違いがあるのは事実。そこを紹介できればと思います。


「七つの会議」の課題点

「半沢直樹」の魅力は、1時間のドラマのなかにさまざまなストーリーが隠れていることでしょう。「犯人はどこにいる?」というサスペンス、「やられたらやりかえす! 倍返しだ!!」の決め台詞に表されている復讐劇、思わずクスッと笑ってしまうコメディ、ドキドキできる冒険談。このすべてが1時間に詰まりに詰まっています。筆者が言うのもなんですが、「よくできたドラマだなぁ〜」と心から思う作品です。

一方、「七つの会議」はどうでしょう。基本的に「シリアス路線」でいくこのドラマは、暗さが蔓延しています。舞台は、大手電化製品会社。会社の闇を描いた作品なのですが、この闇をもっともっと「嫌な感じ」で描いてくれれば、更におもしろい作品になるのになぁ、と感じました。

「七つの会議」でとても気になるのは、台詞。「現実ではそんな言葉遣いしないよ!」と突っ込みたくなる台詞が、ちょくちょく出てきました。深夜のオフィスで残業する上司と部下。上司が、部下に向かって「おまえ、なんでこの会社に入ったんだ?」と問います。すると、部下が「どうしたんですか? 薮から棒に!」と応えました。

「薮から棒」なんて言葉はなかなか現実では使いません。細かな所かもしれませんが、こういう言葉遣いにドラマから筆者の心がちょっと離れてしまったのも現実。脚本の細部に至るまでもう少しこだわりを見せて欲しいです。そうすれば、感情移入して作品に臨めます。

良い声の役者を楽しめる「七つの会議」

無論、「七つの会議」にも見所はたくさんあります。仕事がバリバリできるとは言えない東山紀之演じる原島が、上司からドヤされるシーンが第1話の冒頭にあります。「お前の武器は、顔だよ! 自分の武器もわからん奴が営業成績上げられねぇ!」と原島東山に怒鳴る上司。

あの「二枚目」東山紀之が、「お前は男前なだけなんだよ!」と怒られる姿はなかなか見られません。この姿を見るだけでも「お得感」があります。

そして、もうひとつの見所、というか、聞き所になるのですが、それは良い声すぎる出演者のみなさんです。今年のフジテレビ冬ドラマ「カラマーゾフの兄弟」で、アクの強すぎる父親役で注目を浴びた吉田鋼太郎さん。さらに、声優・ナレーターとしても活躍されている中村育二さん。彼らが出てくる度に、「あぁ、ラジオドラマでこの声を堪能したい!」と思えるほどにその声にやられてしまいます。

良い声の役者さんがいるからこそ、先述の「台詞問題」は解消しておく必要があります。「半沢直樹」では台詞のなかに「名台詞」を入れこんでいる点が最高です。「部下の手柄は上司のもの。上司の失敗は部下の責任」や「やられたらやりかえす! 倍返しだ!!」など、放送翌日には絶対会社で使う邪魔臭い人々がいるはずです。

絶好調の「半沢直樹」と放送スタートしたての「七つの会議」。同じ池井戸潤小説を原作とするこのふたつのドラマのストーリーは、もちろん魅力的です。あとは、どんな脚本でどんな演出をするか、がポイントです。まだご覧でない読者のみなさんも、ふたつのドラマを見比べてみてはいかがでしょう。

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