新コーナーで見えて来た「めちゃ×2イケてるっ!」の本質的なおもしろさ

「よくできている番組だなぁ」と見る度に思うのが、フジテレビ土曜夜8時に放送中の「めちゃ×2イケてるっ!」です。言うまでもないですが、ナインティナイン・極楽とんぼ加藤浩次・よゐこなどが出演し、レギュラーコーナー・新企画など毎回放送で目新しい内容を見せつけてくれるお笑い番組です。

1時間の番組全体が「コント」なのでおもしろい「めちゃイケ」ですが、ご承知の方もいるように「いじめを助長する」なんていう素っ頓狂な意見もよせられ、人気コーナーが消滅するということもありました。そこで今回は、やっぱりおもしろい「めちゃイケ」はどうして魅力的なのか、を考えてみました。すると、歴史に名を残すテレビ番組であることがわかってきたのです。


「めちゃイケ」の本質的なおもしろさ

6月から「めちゃイケ」に新ゲームコーナー「メチャギントン」が登場しました。イギリスアニメ「チャギントン」のパロディで、「罰ゲーム」も見られるコーナーです。先述の通り、「めちゃイケ」では、罰ゲームが「いじめを助長する」としてコーナーが消滅してしまった経験があります。古くから、「THE STAMP SHOW!!」や「七人のしりとり侍」「単位上等! 爆走数取団」「只今参上色とり忍者」など名コーナーを生んできました。

この度スタートした「メチャギントン」は、リズムに乗って出されたお題の擬音を答えるというゲームです。言うまでもありませんが、リズムやルール、そして、「チャギントン」のパロディキャラクターやセットは、見事なまでにシンプルであり、キャッチーで、しかも可愛いものに仕上がっています。問題の罰ゲームも、太ったサラリーマンがすし詰め状態の電車に乗車させられる、という「チャギントン」を生かした設定。「できすぎ!」と言っても過言ではないゲームの設定です。

そして、このクオリティの高さだけで終わらないのが「めちゃイケ」の強みです。先日放送された回では、ゲストに「救命病棟24時」の風間俊介さんとアンジャッシュの児嶋一哉さんが登場していました。風間さんは、出演ドラマになぞらえて、自らが出すお題を病院関係の物(注射や点滴)にし、なかなか手強い男として扱われたのに対し、一方、児嶋さんはゲームとはまったく関係のない所で、レギュラーメンバーにいじられまくりだったのです。

カメラのテープチェンジの為、出演者が一旦休憩でスタジオを離れ、その後、児嶋さんがスタジオに帰らぬまま収録再開をし、児嶋さんは見事に怒り芸を炸裂していました。

この風間さんと児嶋さんおふたりを見てもわかるように、「メチャギントン」を本来のゲームとして楽しむ一方で、「児嶋さんイジリのコント」としてコーナーを仕立てています。この柔軟さとアイデアが、「メチャギントン」ひいては、「めちゃイケ」自体の本質的なおもしろさではないでしょうか?

虚実入り乱れる1時間

ゲームという「ドキュメンタリー」と、児嶋さんイジリという「コント」の両面は、しっかりとした演出プランがなければ同時に成立しません。豪華ゲストを呼んで、あとは出演者任せという番組作りならば、(この番組作りのメリットもありますが)「めちゃイケ」は絶対に人気番組になっていなかったでしょう。

1時間の番組のなかに「虚実」が入り乱れているからこそ、目が離せない番組になっているのだと思います。「めちゃイケ」を「演出が入り過ぎだ!」と批判する声も、過去にはありました。しかし、本来テレビ番組は演出がなければ成立しません。「めちゃイケ」は、スタッフが描いた演出プランに出演者が忠実にのっとってカメラの前で芝居をするコント番組なのです。その演出プラン以上の働き(いわば、スタッフにも想定外の働き)を見せてくれる出演者がいるからこそ、視聴者は「虚」と「実」両方を楽しむことができたのでしょう。

今回取り上げている「メチャギントン」で、罰ゲームを受けた極楽とんぼ加藤さんは「狂犬芸人」として暴れてくれました。罰ゲーム施行人として登場する太っちょサラリーマンのひとりと戦ったのです。これは、おそらく加藤さんのアドリブでしょう。台本に「太っちょサラリーマンと戦ってもOK」とは書いていないはずです。

作りこまれたゲームとそのルールのなかで、多いに暴れてくれる(言葉を代えるとするならば、遊んでくれる)加藤さんのような出演者がいるからこそ、予想だにしない盛り上がりを見せるのだと思います。

緻密な企画を作りあげるスタッフ。スタッフが考えた以上の本番を作り上げる出演者。スタッフと出演者が「笑える番組を作る」というひとつの方向に向かっているのが、この「めちゃイケ」の最大の魅力です。子供に人気の「めちゃイケ」は大人でも多いに笑うことができる番組。子供の頃は見てたけど、最近は見ていないという方がいらっしゃったら、是非もう一度土曜の8時は「めちゃイケ」をご覧になってみてはいかがでしょうか?

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