未来の人文知を知る

インターネットには多くの情報が溢れていますが、どれを選べばいいのかわからなくなってしまうほど選択肢が多いのも困りものだと言えるでしょう。


未来の見取り図

そのような中で、未来の見取り図、今一番ホットなトピックを取り上げていたものが雑誌『WIRED』でした。同誌の編集長だった若林恵による『さよなら未来:エディターズ・クロニクル 2010-2017』(岩波書店)は、著者がウェブサイトに寄稿した文章を中心にまとめたものです。ネットワークやテクノロジーといったベターな話題ばかりではなく、音楽に関する評論もありました。ごちゃまぜのジャンルを取り込んでいるけれども、よく読んでみると著者のフィルターを通してみるとひとつの世界が見えてきます。本を読む至福の体験が味わえる本だと言えるでしょう。

雑誌的なもの

今のウェブメディアに欠けているのは雑誌的なものではないでしょうか。確かにそれぞれコンセプトは掲げているのですが、雑誌にあるような特集主義や、連載コラム、あるいは編集後記といったサブ的なポジションのものがありません。ウェブメディアに出てくる情報はどれもが等価であり、平板な印象も受けます。その点、ウェブとともに紙の雑誌メディアで7年間、ネットと人間の現在と未来を捉え続けた著者の視点はとてもスリリングなのではないでしょうか。

    
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