違法ダウンロードすると罰則が!「私的違法ダウンロード刑罰化」って何だ?

インターネット上に違法にアップロードされた音楽や動画を、違法と知りながらダウンロードすることは著作権法第30条に反する行為です。これまで違法ダウンロードに対する刑罰はありませんでしたが、今回、刑事罰を導入しようという動きが出ています。すでに衆議院では可決されているので、正式に決まるのも時間の問題となっています。刑事罰が導入されるのはなぜなのか、また刑事罰を受けたらどうなるのかなどをまとめてみました。


■刑事罰導入の理由

・著作権者、コンテンツホルダー(出版社、レコード会社、映画会社など)が販売する正規コンテンツの流通が滞っており、業界全体が衰退している。
・正規コンテンツを正規のルートで購入しようという意識が薄いことが問題
・現状の著作権法で「違法と知りながらダウンロードすることは違法」とされていながらも、実情にあっていないのではないかという問題
とりわけ音楽業界は「違法ファイルの流通がCDの売り上げ減少につながっている」として、以前から刑事罰の導入を求めていました。

■刑事罰の内容

修正案では「2年以下の懲役または200万円以下の罰金(親告罪)」を科すとされています。
※親告罪とは、被害を受けた側が告訴しなければ提起されない罪のこと。たとえば、強制わいせつ罪などがあります。

■違法行為を行ったらどうなる

例えば違法と知りながら音楽をダウンロードした場合、レコード会社の側から告訴されて裁判を経たうえで「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」を命じられる可能性があります。違法と知らずにダウンロードしたとしても、それを証明する、誰の目から見ても明らかな証拠がなければ裁判でも認められにくいでしょう。

■刑罰反対を訴えている団体

日弁連は「私的領域における行為に対する刑事罰導入には極めて慎重であるべきである」「著作権法が改正されてからまだ2年しか経っておらず、国民の理解、認識が広まっているとは思えない」つまり国家権力が一般人の行動を抑制することになるうえ、そもそも「違法と知りながらダウンロードするのは違法」ということ自体、国民に広まっているのかが疑問であるなどとして反対の声明を出しています。
また、MIAU(インターネットユーザー協会)では「子どもたちが摘発対象になる」「捜査権の濫用を招く」などとして、やはり反対を訴えています。

■刑事罰を導入して、効果はあるのか?

確かに刑事罰を導入すれば、一定の抑止効果は期待できるかもしれません。しかし、日弁連は刑事罰とすることで誰かが一度は逮捕・起訴される可能性もあり、違法ダウンロードだけで刑罰を受けるのは厳しすぎるのではないかという意見も述べています。

確かに、違法ダウンロードはやってはならないことであり、国民もそのことをよく理解することが必要。著作権を持っている立場からすれば、違法なダウンロードは常に自分の権利を侵害されているのと同じなのです。しかし刑罰が導入されるのは厳しすぎるのではないかという疑問も残ります。あなたはどう思いますか?

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