葬儀場、講演会、ライブ活動、巷には“留守情報”が満載!空き巣の“留守確認”とは

空き巣に入るには、そうコツはいらない。相変わらず、日本人はセキュリティ意識が低い民族だからだ。 日本の空き巣被害は、1日平均300件。年間11万軒が空き巣に入られている。 空き巣に入る唯一の難関は、押し入る家に本当に住人が留守か否か。 ガラスの割り方、ピッキングの方法、サムターン回し、金品の探し方…そんなものは入った家に誰も帰ってくる心配さえなければ、たいした問題ではない。 では、どうやって長時間住人不在“お墨付き”の家を探すか。そのコツを掴んだコソ泥歴10年Y氏。 彼はこの方法を過信しすぎて調子に乗り、逮捕。先日まで服役していた。 さて、その方法とはどのようなものなのか。話してもらった。

大学教授の家、芸能人は簡単

定職に就くことなく、ブラブラとした生活の中で覚えた盗みの味。 36才のとき、初めてぶらりと入った空き巣で、60万近くの現ナマを手に入れたオレは、それ以来ずっとコソ泥で糊口をしのいでいた。 おかげさまで、4年後の40歳のときに大阪市内にささやかながら、マンションを購入できるまでになった。 しかし、間一髪で逮捕を回避、寿命が縮むような目に遭うこともしばしば。ほとんどの原因は、オレの仕事中に住人が帰ってきてしまうことだ。 【なにか、ええ手はないもんか。絶対に住人が帰ってこないことを確信できるもの…】 考えあぐねるオレの目に飛び込んできたもの。それは、大学教授の講演会の告示板。 《4月18日(土) Wホールにて1時~3時まで講演 講演内容『伴侶をなくすということ』》 テレビにも時折出演する名の知れた地元大学の初老の教授だ。 【ということは、このオッサンはこの時間に自宅にいないということやないか。しかも、嫁さんも亡くしてる!これや!!】 芸能人一歩手前の教授など自分の情報管理など行き届いていない。市販の住所録ソフトで調べれば、住所など一発検索。 当日、教授の自宅に忍び込めば、案の定、誰もいない。 【しめしめ、では金目のものをいただきまひょ!】 オレは、目ぼしい金品の隠し場所(仏壇、ソファの下、冷蔵庫、米びつの中など)を物色し、現金や時計、貴金属など120万円相当を盗みだした。 【これは使える!】 調子づいたオレは、全国の単身者の教授や評論家、学者のスケジュールを調べて、18件の盗みを繰り返し、総額で2千万以上の金を稼ぎだした。 【もっとほしい!金目のものを持ってることがわかる連中…そや、芸能人や!!】 欲の皮がさらに突っ張ったオレの次のターゲットは、見せる商売を生業にしている芸能人。 芸能人ならコンサートや番組収録、撮影などで地方に行く機会も多い。 インターネットで、公式サイトみれば、ある程度のスケジュールはわかる。 同時に家を留守にする時間もわかるということだ。 自宅住所を極秘にしているつもりでも、ド派手な車を“出待ち”のファンに写メられ、 ナンバープレート伝いに所有者の氏名や住所を知ることは誰でもできる。 ネットには裏情報が飛び交っていた。東京出張し、狙いを定めたのは歌手のF宅。 半信半疑のまま、ネット上にアップされていた住所に行くとちゃんと自宅があった。簡単に忍び込み、100万ほどの金を盗んだ。 それから、元アイドルのIや演歌歌手のFなどで300万程度。思ったよりも金額が少ない。 それに、大物どころになればなるほど、セキュリティーが厳しいのだ。割に合わないと感じたオレは、芸能人を狙うのをやめた。

葬儀場の掲示板の名前を間違えて…

次に浮かんだアイデアは、新聞の中にあった。新聞社会欄の下に小さく記載される《お悔やみ》だ。 閃いたことをたよりに地元の葬儀場へ出向くと、告別式、通夜の案内掲示が出ている。日時と名前、これさえわかれば葬儀のために留守にする家がおのずとわかる。 メモった名前をいつもどおりに電話帳で確認。住所を調べて、葬儀の日程が近い家から空き巣に入った。 葬儀のときは何かと入用になる。現金が置いてある確率が跳ねあがり、金額もデカい。 そのうえ、他界したのが年寄りであればあるほど、昔から電話帳に登録されていることが多い。 このとき、必ず留守かどうかの確認電話を入れてから忍び込むことが大切だ。 周到に計画し、実行に移すうちに手に入れた金は、ほんの20件押し入っただけで約3千万にもなった。 【今までで、一番ボロいがなぁ~!!】 今日も懲りずに、住所探し。《故人・城ノ内茂美》 「めずらしい名前のおばあちゃんやなぁ~。城ノ内、城ノ内…おっ、あったがな!金持ってそうやなぁ~」 2日後、オレは確認の電話を入れて、忍び足で城ノ内家の敷居をまたいだ。 【変やなぁ~…葬式って雰囲気やないんやけど…】 仏壇があるわけでなく、花が手向けてあるわけでもない。まして線香の匂いすらしない。 ガチャッ!! まさかの玄関の開く音。見ると玄関先に身長が1メートル90センチはありそうな屈強な男が立っている。 「貴様ぁ~、誰じゃあ~!!」 「ひっひぃぃ~!!」 逃げようとしたオレの背中に男の渾身のタックルがブチ当たる。吹っ飛ばされるオレ。 い、痛たたぁ~!!どういうこっちゃ!! そのまま押し倒され、後ろ手に締め上げられて、何もできないオレは即刻警察に引き渡された。 平成17年2月、逮捕。懲役8年の実刑判決。こうしてオレは空き巣歴10年にピリオドを打った。 取調べをした警察官に後から聞いた話では、オレはどうも掲示板と同姓同名の家を間違えるという凡ミスを犯したらしい。しかし、城ノ内茂美はあの大男。 オレは出所した今も、悪い手癖の垢を落とそうと、真っ当な職業に就き、懸命に働いてる。(丸野裕行) 次の記事「ムカつく隣人に報復を!絶対にマネしてはいけない過激な復讐法(1)」 前の記事「あいつら、ホントにまともじゃない!環境保護テロ団体に襲われた漁師の告白!」