事故車をつかまないための基礎知識

中古車選びで最も気をつけたいことの一つが、事故車を購入してしまうことではないでしょうか。自分と同乗者の命を預けるクルマが傷物だったことがわかったときのショックは想像に絶するものがあります。今回はそんな最悪の選択をしないためのポイントを、「ネットに騙されない本当の中古車選び」の著者である野瀬貴士さんの話から探っていきましょう。


事故車と修復歴車の違いとは

一般的に、事故車の定義とは「過去に事故を起こしたクルマ」と理解されていますが、必ずしも事故が全て履歴に残るとわけではないと野瀬さんは言っています。
中古車業者が言う「事故車」とは、あくまで「修復歴がある」=修復歴車を指しているといいます。修復歴とは、クルマのフレームなどを交換、もしくは修復したクルマのこと。実際に様々な事故を起こしたことがある車であっても、フレームなどに関わっていないと修復歴は残らず、業界的には事故車とは呼ばないそうです。

完全には見抜けない“隠れ事故車”

実際、修復歴車の対象外の事故を起こしたことがあるクルマを個別に修理した“隠れ事故車”を扱っている業者は少なくないと言います。履歴が残っていて後から辿れば確認できる修復歴車と違い、“隠れ事故車”を完全に見抜くことは不可能だと野瀬さんは言っています。相場より安い価格のクルマではなおさら要注意です。
中には、潰れてしまったクルマを敢えて安く仕入れて、外側だけ直して激安価格で販売している中古車業者もいるそうです。
また、死亡事故など人身事故を起こし、フロントガラスが破損したことがあっても、フレーム等に影響のない修理を施しているだけであれば修復歴に記載されることはないということにもなります。
いずれにせよ、こういったケースでは安い価格で市場に上がってくることが多いようです。やはり極端に安い中古車は手を出さないのが無難だと言えそうです。

修復歴車はお買い得なのか?

一方、こう説明されると、修復歴があるクルマなら走ること自体は可能なのだから、むしろお買い得では? という考え方もあるかもしれません。
しかし、決してそうとは言えないと野瀬さんは言っています。
軽度の修復歴ならともかく、走りに影響が出たことによる重度の修復歴を持つクルマは、車体の寿命を短くするリスクが高く、結果的に長く乗り続けることは難しいとのことです。もし、走行系に関わる修復歴となると運転中に事故を起こす危険がつきまとうことになります。実際、修復歴車を運転してみたら、普通に運転しているのに少しずつ曲がってしまうといった現象が起こってしまうことも少なくないそうです。

軽度の修復歴車を選ぶときの注意

不要なトラブルに巻き込まれないためにも修復歴がある中古車は避けるのが無難な選択だと野瀬さんは言っています。ただ、軽度の修復歴が確認できるようならば購入を検討する余地はあるとも言っています。その場合、大事なのは、第三者機関による、修復歴の度合いなどが記載された「鑑定書」が販売店から提供されるかどうか。その上で、購入前に試乗して自分の体で乗り心地を確かめることは絶対条件だと、野瀬さんは付け加えています。

「ネットに騙されない本当の中古車選び」
野瀬貴士 啓文社書房 11月22日

足立謙二(ライター)
1966年生まれ。さいたま市出身。通信社記者を経てフリー。雑誌、ニュースサイトなどに執筆。得意ジャンルは昭和カルチャー、特撮、アニメなど。

    
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